※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。
またぞろ特撮の話をマクラに振りますが、シリーズものの作品が歴史を重ねて人気キャラが増えてくると、必ず「オールスター登場エピソード」が作られます。ゴジラで言えば『怪獣総進撃』、仮面ライダーなら『栄光の七人ライダー』、ウルトラマンなら『ウルトラ兄弟全員集合』。海の向こうでも、アイアンマン以下ヒーローが勢揃いした『アベンジャーズ』が大ヒットしています。となれば、同じく人気キャラを多数擁するX-MEN軍団も黙っていません。オールスターのミュータント軍団が、満を持しての登場です。
2023年.地球はバイオメカニカル・ロボット「センチネル」によって壊滅へと向かっていた。プロフェッサーXは宿敵マグニートーと手を組み、1973年にウルヴァリンの「魂」を送り込み危機の根源を絶とうする。50年前の自分の肉体に宿り「センチネル・プログラム」の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も2023年では、暴走するセンチネルの過酷な攻撃で地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた。2023年と1973年。2つの時代で同時進行する激しいバトルは、想像を絶する結末へと向かう―。
アメコミの原作版『X-MEN』が誕生したのは、今から半世紀以上前の1963年。70年代から人気が上昇し、90年代のアニメシリーズを経て2000年に長編映画第一作の『X-メン』が公開され、世界興収で4億5千万ドルを超える成績をあげます。その後シリーズ化され、2003年には第二弾の『X-MEN2』、2006年に第三弾『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』が登場。X-MENのチーム・リーダーであるウルヴァリンが単独主演するスピンオフも『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』と『ウルヴァリン:SAMURAI』の二作が作られ、更には時代を遡ってX-MENの誕生秘話を描く『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』も大ヒットと百花繚乱。世界興収の累計では2000億円以上を稼ぎ、まさにドル箱のシリーズとなりました。その最新作が今回の『X-MEN:フューチャー&パスト』。直接的には『ファースト・ジェネレーション』の続編ですが、実はタイトルの通り“未来”(=『X-MEN三部作』)と“過去”(=『ファースト・ジェネレーション』)を繋ぐ、シリーズでも要となる作品なのです。
時系列的にはシリーズの序章となる前作『ファースト・ジェネレーション』では、後にミュータント2大勢力のリーダーとなる若きプロフェッサーXとマグニートーが出会い、友情で結ばれ、やがて決別するまでが描かれました。同じミュータント同士でありながら、人類との共存を目指すプロフェッサーXと、逆に人類を支配しようとするマグニートーは、続く『X-MEN』三部作でそれぞれの軍団を率いて壮絶な死闘を繰り広げます。その戦いが終息を迎えたのも束の間、地球外から新たな敵・センチネルが出現。人類とミュータント双方の存亡に関わる最大の危機を前にプロフェッサーXとマグニートーは再び手を組み、ミュータント連合軍としてセンチネルを迎え撃つのです。まさに『怪獣総進撃』で宇宙から襲来した強敵キングギドラを前に、かつては敵同士だったゴジラやモスラたち地球怪獣がタッグを組んで戦ったあの構図!これは燃えます。
二人のリーダーを演じるのはもちろん、パトリック・スチュワートとイアン・マッケラン。このお爺ちゃん(失敬)たちは私生活でも大親友で、スチュワートの結婚式(三度目!)ではマッケランが司祭役を務め、ウェストエンドの劇場では二人芝居『ゴドーを待ちながら』で共演するなど、なんかもう君らはあれか、ユニットか?というほどの仲良し。ゲイであることを公言しているマッケラン翁に対し、スチュワートのほうは三度も結婚している(まあこれはこれでちょっとアレですが)正真正銘のノンケなので、ソッチのほうは心配ないと思いますが…二人が陽だまりのベンチに腰かけているツーショットなんか見ると、本当に心がほっこりします(微笑)
物語の主役ウルヴァリンを演じるのはヒュー・ジャックマン。オーストラリアのテレビ俳優だった彼を一躍スターダムに押し上げたのは、他ならぬ『X-MEN』の第一作でした。それからの活躍ぶりは皆さんご存知の通り。同シリーズ以外にも『ヴァン・ヘルシング』や『レ・ミゼラブル』といった大作に主演、ブロードウェイの舞台でも『ボーイ・フロム・オズ』でトニー賞のミュージカル主演男優賞を受賞し、さらには同賞の授賞式で二度にわたって司会を務めるなど、まさに世界のトップスターです。
共演するミュータント軍団も多彩な顔ぶれです。まずは、天候を自在に操るストーム役のハル・ベリー。彼女は『X-MEN』の一作目でこのキャラを演じた翌年、『チョコレート』でなんとアカデミー賞の主演女優賞を受賞してしまいます。こりゃもう活劇なんかには出てくれないんじゃ…というファンの心配は杞憂に終わり、オスカー受賞に続いて出演したのは『007/ダイ・アナザー・デイ』に『キャットウーマン』(←ラジー賞の最低主演女優賞を受賞!)という、ある意味アッパレな女優魂の持ち主です。
アッパレと言えばもうひとり、変身能力を持つミスティーク役のジェニファー・ローレンス。ハリウッドの若手女優では一、二を争う演技派で、昨年『世界にひとつのプレイブック』で見事アカデミー賞の主演女優賞に輝きました。そのオスカー女優が、あろうことか全身真っ青のボディペイント(つーか、つまり裸ってことです)でミュータントを演じる。こちらもハル・ベリーに負けない、女優の鑑です。かの桂歌丸師匠も仰ってますが、「若いうちゃあ仕事を選んじゃいけませン」
加えて、エネルギーの吸収能力を備えたミュータント、シャドウキャット役に『インセプション』のエレン・ペイジ。野獣の肉体と神の頭脳を持つビースト役に『ジャックと天空の巨人』のニコラス・ホルト。その他にもこれまでシリーズに登場した数々のミュータントたちが登場して、究極の戦いが展開します。
今回劇場で公開される日本語吹替え版は、ウルヴァリンに山路和弘、プロフェッサーXに大木民夫という盤石の布陣。さらにハリウッドきっての売れっ子女優ジェニファー・ローレンスを、こちらも日本で引っ張りだこの若手女優、剛力彩芽が演じます。御贔屓のあのミュータントが果たしてどこに出てくるか、字幕を気にせず探したい向きには吹替え版、オススメですよ。
時代の異なる(つまり本来ならば同時に存在できない)作品同士を融合させ、その二つを繋ぐ媒介として“不老不死=時間を超えられる存在”としてのウルヴァリンを配する。多彩なキャラクターを擁するマーヴェル・コミックが原作だからこそ実現できた手法でしょう。新旧両世代の面白さがひとつとなった『X-MEN:フューチャー&パスト』。ぜひ3D+吹替え版でお楽しみください!
でも本当はジェニローよりもローグ役のアンナ・パキン萌え。
今年も早いもので、もう6月。もうすぐ東京もジメジメとした梅雨に入ります。が、サッカーワールドカップも始まります!! 地球上がサッカーの応援で華やかになります。滅入っている場合ではないですよー!! それまで、テレビ画面は映画で!!
雨といえばこれでしょう。あのホラーの大家、スティーヴン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」が原作です。そんな作品をフランク・ダラボンがメガホンを取る珠玉の作品です。
1947年、銀行員として成功していたアンディ・デュフレーンは、妻とその愛人を殺した罪に問われてしまい、終身刑の判決を受け、ショーシャンク刑務所に投獄される。アンディは刑務所の環境に戸惑い、孤立するが、同じ服役囚の“レッド”ことエリス・ボイド・レディングと出会い、少しずつ交流を深めていく。そして、刑務所内の環境改善などに力をそそぎ、他の囚人からの信頼を高めていった。彼らは、決して希望を捨てず、明日への自由を信じ続ける。なぜかって?それは観てのお楽しみにしておきましょう。
そんなアンディ(ティム・ロビンス)に大塚芳忠さん、エリス・ボイド(モーガン・フリーマン)に池田勝さん等、重厚な演技も圧巻です。
2作目は、1990年に公開された
BSジャパンの6月のイチオシ映画は、6日(金)夜7時~放送の『舟を編む』。
松田龍平・宮崎あおい主演、2013年度の映画賞を独占したあの話題作を、ノーカット一挙放送します!
・・・えっ、ふきカエじゃない? ダメすか?
では、続いて6月8日(日)夜8時54分~放送の『死刑台のエレベーター』をご紹介。
フランスの巨匠、ルイ・マル監督の傑作サスペンス・・・を、阿部寛・吉瀬美智子主演でリメイクした日本映画です。
・・・これもダメすか?
ではその翌週、6月13日(金)夜8時~放送の『恐怖の報酬』をご紹介します。
ウィリアム・フリードキン監督がリメイクしたアメリカ映画ではなく、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督のオリジナル版。『死刑台のエレベーター』(オリジナル版)と同じくモノクロ、フランス映画屈指の傑作サスペンスです。
今回使用するふきカエは、かつてテレビ東京「20世紀名作シネマ」での放送時に新録したもの。このコラムの第2回でもチラッとふれましたが、これが現存する唯一のふきカエです。
通常、テレビ放送用に制作されたふきカエ素材は、放映権終了後は映画の原権利者のものになりますが、権利元や配給会社が変わったりする間に消失してしまうことが多々あります。『恐怖の報酬』もそういう1本でしたが、テレ東の倉庫に眠っていた素材を奇跡的に発掘! 最新のHDマスターとミックスして、二ヵ国語にしました。
中央アメリカの荒地を、大量のニトログリセリンを積んで輸送することになるトラッカー、イヴ・モンタンの声は田中正彦さん。相棒のシャルル・ヴァネルは佐々木梅治さんです。このふきカエの現場が映画に負けず劣らず壮絶で・・・忘れられません。
オリジナルは堂々2時間半のこの映画、「20世紀名作シネマ」では3時間枠での放送で、番組本編は12ロール(途中にCMが11回入る)でした。ただ、総勢17名の声優陣のうち、全ロール通しで登場するのは主演の2人のみ。他に出番が多いのはもう1組のトラッカー(天田益男さんと中田和宏さん)だけで、残りの皆さんの出演場面は最初の3ロールと最終12ロールだけでした。
こういう時は、最終ロールを先に収録してしまえばよさそうなものですが、ディレクターの松川陸さんは順録りにこだわり・・・途中、出番のない皆さんをずっと待機させました。が、朝10時に始まった収録が、最終ロールに至ったのは夜11時過ぎ・・・スタジオ周辺は異様な雰囲気になってました。
結果的には、14時間に及ぶ収録の疲労感が、画面の中で疲弊していくモンタン&ヴァネルとシンクロするように主演のお二人の声に滲み、最終ロールは、ずっと「待て」状態だった皆さんの溜まったパワーが爆発して、ド迫力の集団シーンに。これぞ松川流の“演出”なのでした。
今回は短縮版での放送ですが、このふきカエの迫力は充分に味わえると思います。13日の金曜日、“食いつめ者”たちの熱演を、どうぞお楽しみください。
さてこのコラム、次回の更新は8月の予定ですが、ふきカエファンならビックリ仰天!のおしらせをすることになりそうです。乞うご期待!
[作品画像はAmazon.co.jpより]