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…いや日本語には古来より頭髪の薄い男性を指す「○ゲ」という雅やかな(どこがだ)言葉があるのですが、あんまり公の場で大っぴらに使っちゃイケナイよという最近の風潮に鑑みて婉曲な表現を試みております。医学的には「頭部の脱毛は男性ホルモン分泌に伴う副作用」だそうで、ある意味ではマッチョの象徴。特に「人は見た目が九割」のハリウッド映画界では、ハゲ(あ、言っちゃったい)は強い男のアイコンにもなり得るわけです。そんなマッチョが二人も登場、世界を危機から救うべく任務にハゲむ新作がこちら。
パキスタンで極秘任務中のG.I.ジョーは大統領の陰謀にはめられ、突如襲撃を受ける。生き残ったメンバーは、デューク(チャニング・テイタム)、ロードブロック(ドウェイン・ジョンソン)らわずか数名。折しも最強の暗殺者ストームシャドー(イ・ビョンホン)を擁するテロ組織“コブラ”が再び世界侵略に動き出し、遂にはロンドンへ核爆弾が落とされる事態となる。孤立無援、絶体絶命のG.I.ジョーのメンバーは、初代G.I.ジョーであるジョー・コルトン司令官(ブルース・ウィリス)に救援を要請。新たなボスを迎えた新生“G.I.ジョー”が世界の危機に立ち向かっていく……。
ご存知の方も多いと思いますが、「G.I.ジョー」とは元々アメリカの玩具メーカーであるハズブロ社(トランスフォーマーもここの商品ですね)が1963年に発売した、米軍兵士を模したアクションフィギュア。当時大ヒットしていたバービー人形をヒントに男の子向けに開発され、日本でも1966年から輸入・販売が始まりました。
G.I.とは “Government Issue”(政府の支給品)の略で、本来は「官給品である軍隊の装備」という意味ですが、それが転じて米軍兵士一般を指す名称になったもの(デミ・ムーアが海兵隊の女性兵士を演じた『G.I.ジェーン』なんて映画もありました)。当時日本では『コンバット』に代表される軍隊モノのアメリカ製TVシリーズが大人気で、それに乗った形で大々的に売り出されました。
リアルな造形、約30センチという大きさ、関節が自在に曲げられる可動性。どれをとってもそれまでの日本製おもちゃとは桁違いで、昭和の男の子たちは夢中になったのですが…何しろ値段が高い!当然そこらのガキは買ってもらえず(もちろん私もです、ええ)何体も持っているお坊ちゃまの家にG.I.ジョー目当てに遊びに行くとおやつにケーキなんつう食べ物が出てきて、え、これって「クリスマスと誕生日しか売ってない」って母ちゃんが言ってたのはもしかして嘘だったの(←気づけよ)と大ショック、涙目で空を仰げばそこには建設途中の東京タワーが…ってそりゃ別の映画ですが、まあそれほど憧れの的だったのです。
そんな悔しさを抱えたまま大人になった世代の琴線に触れたのか、2009年に公開された『G.I.ジョー』一作目は世界興行収入3億ドルの大ヒット。それを受けて作られた続編が今回の『バック2リベンジ』です。ヒットはしたものの役者のキャラ的にちょっと弱かった前作(チャニング・テイタムもジョゼフ・ゴードン=レヴィットも、まだブレイクする前でした)を補強するべく参戦したのが前述の二人、ドウェイン・ジョンソンとブルース・ウィリスの二大ハ…あいや、二大スター。
ジョンソンが演じるのはG.I.ジョーに所属する武闘派の隊員(まあ隊員は大体が武闘派ですが)ロードブロック。何しろあの体躯ですから、登場するとスクリーンに占める面積が七割がたこの人になっちゃうという圧倒的存在感です。日本語版で声を演じるのはジョンソンを吹替えること七作目、こちらも存在感たっぷり(見た目含む)の楠大典氏。さすが豚骨ラーメン好きは伊達じゃないです。
一方のウィリスが演じるのはG.I.ジョーの初代長官である、その名も「ジョー」。自らの名を冠した組織の危機に際し、引退生活からカムバックして参戦します。まあどの映画に出てもブルース・ウィリスはブルース・ウィリスなのですが、この人が登場すると画面がパッと明るくなるのは、さすが大スター。決して頭頂部が光っているからではなく(それもありますが)これこそ「華がある役者」の証明でしょう。吹替え版の仲野裕氏はこれまでも政府や軍の高官をよく演じられてますが、今回は同じ偉いさんでも「戦う長官」という役どころで、いつにも増して気合の入った声を聞かせてくれます。
そしてこのシリーズに欠かせないのが韓流スター、イ・ビョンホン(声:阪口周平)。前作に続いて悪の忍者ストームシャドーに扮し、抜群の戦闘能力と華麗な刀さばきを披露します。G.I.ジョーの隊員たちが地味な迷彩服なのに対し、ビョン様は全身を白装束で固めたスタイリッシュ・ニンジャ。普通はいいモンが白で悪モンは黒なんですが、このシリーズでは逆なのですね。これも「いかにビョン様を美しく撮るか」を製作側が考え抜いた結果であり、アクションをキメた後に振り向いて見得を切るあたり、女性ファンの嬌声が聞こえてきそうです。お前は市川雷蔵か。そんなビョン様がG.I.ジョーの猛者たちを圧倒するアクションを見せてくれると、同じアジアの同胞としては喝采を送りたくなること必至です。よっ!ビョン様!
キャスト・スケールとも前作から大幅にパワーアップした『バック2リベンジ』。是非とも吹替え版で、3Dの目を見張るような映像を御体験ください。そして映画を見た勢いでデパートの玩具売り場に飛び込み、昔買ってもらえなかったG.I.ジョーのフィギュアを大人買い、なんてのもアリです。これぞリベンジ!(←何の?)
まずは前作のおさらいから!
皆様こんにちは! 暑かったり寒かったり、なんだかとても不安定な天候の下、GWもあっという間に終わり、穏やかな!? 日々に戻りました。あっ! GW中にございました徳島でのマチ★アソビでは、多くのファンの方々とお話しできたこと、とても嬉しく思います。本当にありがとうございました。
では、今月は私が半年間書きたくて書きたくてしょうがなかった、昨年11月に公開された
をご紹介します。
ストーリー冒頭からトイレで悪戦苦闘している主人公 ガス。えっ、何故かって? 聞いたことはありませんか?? 老いると出にくくなるんです…小便が…。そして、歩けばテーブルに蹴躓き、車を運転すればガレージを壊す…。ああ、情けなかぁ…。(少しデフォルメのしすぎではと切なくなります泣)
そんなガスに『グラン・トリノ』以来の出演、クリント・イーストウッド。はて、ふきカエは誰がアテるのか!! 残念ながらあの名優 山田康雄氏を甦らせることはできません。
しかしその時、はっきりと頭に浮かぶ人物がいたのです!! 大のメジャーリーグファンで有名な、そして朝起きて、トイレには本当に苦戦すると話しをしてくれた、我がプロダクションが誇る、クリント氏と同年代、納谷六朗氏です。これは、絶対にやってほしい!! どうしたらこの仕事ができるであろうと、ない脳みそを使い悶々としながら出勤すると、なっ、なんと!! 納谷氏のスケジュールに、クリント作品としてキープが入っているではないですか!! 早速担当マネージャー米通さんに確認してもらい、「その作品です」と言われた時は、メチャメチャ嬉しくて、人生の、そうまさに特等席に座っている心地でした。えっ? くどいって? スミマセン…。
では話を戻しまして…、ガスはメジャーリーグ、アトランタ・ブレーブスの伝説的なスカウトマン。しかし、年齢による視力低下を隠せず、パソコンも使えない。引退の危機である。そんなガスを心配する、親友で球団幹部のピート(ジョン・グッドマン)は、ガスの一人娘で弁護士のミッキー(エイミー・アダムス)に、ドラフト会議前の視察旅行に同行してほしいと頼む。長年、父との確執を抱えていたミッキーは、悩みながらも父のもとへ。
メジャーリーグのファンの方ならもちろんのこと、心が和み、温かい気持ちになりたい方には是非おススメなこの作品。キャストは、ガスことクリント氏を完ぺきに演じる納谷六朗氏、ガスを支えるピートには、抑え目な感じが人の良さを醸し出している楠見尚己氏。(やはり我が社の宝です!!) 仕事と父の手助けとの間で揺れ動くミッキーを、中村千絵さんが感情豊かに演じ、そんなミッキーに恋をする他球団のスカウトマン、ジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク)を小松史法さんが爽やかに演じられています。監督には長年クリント氏の助手をしていたロバート・ロレンツ氏。
いくらコンピューターが発達していても、最後にモノをいうのは、長い人生を生きた人間の経験と感性であることをテーマにしたところが、とても小気味好いです。(パソコン苦手な私の為の映画ですね)
もう1本は、昨年2本公開されました世界的に有名なグリム童話『白雪姫』を題材とした作品の1つ、
をご紹介します。
幼くして国王である父を亡くし、強欲な継母である女王によってお城に幽閉される白雪姫。ある夜、お城で開かれた仮面舞踏会に紛れ込んだ白雪姫は、かつて森で出会った他国の王子アルコットと再会する。そして2人は恋に落ちるが、女王の企みによって引き離される。挙句の果てには、邪魔になった白雪姫を森に連れて行き、殺そうとする。しかし、魔の手から逃れた白雪姫は、7人の小人と出会い、彼らと生活を共にする。そこで、女王によって貧しい暮らしを強いられている国民の為、剣術を学び、国民を救うため女王に果敢に立ち向かっていくのだった!!
そんな戦う白雪姫をコミカルに演じるリリー・コリンズを小松未可子さんが可愛らしく、時に凛々しく、強欲かつ邪悪な女王をプリティ・ウーマンこと、ジュリア・ロバーツが怪演、それを見事に深見梨加さんが表現されています。アルコット王子、アーミー・ハマーには玉木雅士さんが楽しくアテられています。監督には、ターセム・シン氏がメガホンをとり、故石岡瑛子さん最後の衣装が画面に花を添え、アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされ話題になりました。
そして、この作品の見どころの1つは、エンディングです。白雪姫が何故か踊るマハラジャしています。どうか最後までお見逃しなくですよ!!
今回は事後報告から・・・前回のこのコラムの結びに書いた「“木曜洋画劇場”時代にやろうとしながら果たせなかった、ある大ヒットシリーズのふきカエ新録コンプリート」というのは、『インファナル・アフェア』3部作のことでした。
ハリウッド映画『ディパーテッド』や、WOWOW=TBSのドラマ『ダブルフェイス』としてリメイクもされたこのシリーズ、まず第1作は俺が担当していた頃の「木曜洋画」でふきカエを新録し、第2作『無間序曲』は俺が異動で離れた後の「木曜洋画」で新録されましたが、完結編の『終極無間』は深夜に字幕版で放送され、ふきカエは制作されずじまいでした。
DVD版のふきカエはあるものの、トニー・レオンの山路和弘さん以外キャストを一新したテレビ版は完結していないのがずっと心残りで・・・ようやく今回、BSジャパンで一挙放送の機会に恵まれ、コンプリートを決行した次第です。
第1作のオンエアから実に8年ぶり、山路さん、アンディ・ラウのてらそままさきさんを始め、かつてのふきカエキャストが奇跡的に全員集合。加えて、新登場キャラで堀内賢雄さん、大塚明夫さんも参戦した超豪華版になりました。
この稿がアップされる頃には初回放送は終了していますが、7月に(深夜枠ですが)3作とも再放送を予定してますので、ぜひご覧ください。
新録と言えば、6月8日(土)夜7時からのBSジャパン「土曜キネマ」で放送する『ランボー 最後の戦場』は、やや引いちゃう感じだった過激な描写をいくぶんマイルドにしつつ、劇場版にはなかった映像が追加された「特別編」。少し前にテレビ東京での放送で制作された吹替え版でお送りします。 シルベスター・スタローンが20年ぶりに甦らせたランボー、ふきカエはもちろん、ささきいさおさん。既にDVD版でもアテておられますが、「特別編」ということで気分も新たに再登板。見た目に時の経過を感じさせるスタローンとは裏腹に、いつまでも変わらぬささきさんの美声をお楽しみください。
ええい、こうなったら番宣祭りだ!(すみません)
6月7日(金)夜6時30分から拡大版でお送りする「シネマクラッシュ金曜名画座」は、このコラムでも大いに紹介させて頂いた、『タワーリング・インフェルノ』 ノーカット新録版を一挙再放送! 前回見逃した方は、この機会にぜひ。
そして7月は、伝説の「闘魂祭」から8周年ということで(笑)
☆寅ボルタ VS ニコラス刑事、ハトが出ますよ~!の 『フェイス/オフ』
☆今年はヘビ年! ふきカエは辻親八さんが堂々主演!の『アナコンダ』
☆ソチまで待てない・・・DVD版でごめんなさい!の 『クール・ランニング』
・・・といった闘魂系ラインアップをお見舞いするぜ!
祭りが終わったところで、最後に。
『インファナル・アフェア』シリーズで、DVD版・テレビ版共にトニー・レオンを男前に演じている山路和弘さんですが、山路さんのトニーと言えば、俺のイチオシはジャッキー・チェンの『ゴージャス』です。
この映画のトニー・レオンはいわゆる“おネエ”なのですが、これを見事にアテた山路さんがきゃわゆい!
現在発売中のブルーレイ(ポニーキャニオン版)には別バージョンのふきカエが入ってますが(これはこれでなかなか)、機会があれば旧DVD(パイオニアLDC版)もチェックしてみて下さい。
[作品画像はAmazon.co.jpより]