※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。
…何それ、と仰る方のために解説すると、上記は昭和53年から54年にかけて東京12チャンネル(現:テレビ東京)系で放送された、日本版『スパイダーマン』の主題歌。映画会社の東映がマーベル・コミック社とキャラクターの使用契約を結び、日本人スタッフとキャストで製作した特撮シリーズである。
御承知のように日本における特撮番組は「スポンサーの玩具メーカーが関連商品を売るため」に製作・放送されている側面が大きいわけだが、徒手空拳で単身闘うスパイダーマンには商品化できるようなガジェットが登場しない。そこで制作陣は、なんと「スパイダーマンが巨大ロボット・レオパルドンに搭乗して敵と闘う」という設定を捻り出す。この目論見は見事に当たり、発売された「超合金レオパルドン」は史上空前の売上を記録する大ヒット商品となった。
これも東映に対して「キャラクターを自由に使ってよい」という許可を出した、スタン・リー率いるマーベル・コミック社の懐の深さあってこそ。対して東映側も、レオパルドンに変形する前の巨大戦艦に「マーベラー」という名称をつけて、マーベル社に敬意を払っている(…んだか何だか)。
ここで確立された「覆面ヒーロー+巨大ロボ」というフォーマットは定番として、その後の戦隊シリーズに営々と引き継がれていくことになる。
…という例でも分かるように、スパイダーマンに代表されるアメコミのキャラクターは、古来より様々な形で再生・リブートを繰り返し、その時代毎の仕様で世に送り出されてきた。そして今年、何度目かの再起動となる新しいスパイダーマンが登場する。
13年前に両親が失踪して以来、伯父夫婦に育てられてきた高校生のピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)。ある日ピーターは、自宅で父親の残していった鞄を見つける。中には、父の親友であった生物学者カート・コナーズ博士と父の関わりを記したメモが入っていた。父のことを知ろうと、ピーターはオズコープ社で遺伝子を研究するコナーズ博士を訪ねるが、そこで遺伝子操作の実験中の蜘蛛に噛まれてしまう。その翌日、ピーターの体内で大きな異変が起こり始める……。
筆者の記憶にある映像版スパイダーマンの中で一番古いのは、60年代に(これも確か12チャンネルで)放送されていたカートゥーン版で、オープニングの♪おお~クモ人間だ~♪は鮮明に憶えている。外国アニメで主題歌まできちんと翻訳・吹替えされていたのは偉いが、主人公の名前まで和訳せんでもねえ。「クモ人間」て。
その後、前述の東映版とほぼ同時期に、こちらは本家アメリカで製作された実写版スパイディが登場する。本国ではTVシリーズとして製作されたが、長編である第一話は日本では劇場公開された。内容については「まー、そらテレビ映画ですからねー」と言うしかなく、「横に寝かせたビル外壁のセットの上を這いずるスパイディを、カメラも横にして撮る」という牧歌的な手法が、ドリフのコントを想起させてなんとも癒される一品。ちなみに本作がテレビ放映されたとき主役のニコラス・ハモンド(…誰?)を吹替えたのは、当時新人声優だった大塚芳忠さんです。
時代は移って21世紀。サム・ライミ監督で映画化された三部作の大ヒットも記憶に新しい今年、我らがヒーローは『アメイジング・スパイダーマン』としてまたまた再起動された。今回の監督はミュージック・ビデオ出身で、青春映画の佳作『(500)日のサマー』(←必見です)を撮った俊英マーク・ウェブ。主人公ピーター・パーカーに『ソーシャル・ネットワーク』でも好演だったアンドリュー・ガーフィールド、ヒロインには『ヘルプ~心がつなぐストーリー』でキュートな魅力が光っていたエマ・ストーンを配し、マーティン・シーン、サリー・フィールドといったベテラン勢が脇を固める。
基本的な設定は前シリーズを踏襲しているが、今回の売りは何と言っても3D映像。もとより高低差を利用したアクションの多いスパイダーマンにとって、3D技術はまさに鬼に金棒である。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで人気の3D体感型アトラクション『アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド』、あれが二時間超の映画になったと御想像いただきたい。
余談ながら、筆者は同アトラクションの日本語版音響監督を仰せつかった際に、収録した台詞のタイミングチェックのため、オープン前のライドに三回続けて試乗したことがある。もうマジで死ぬかと思いました。(ちなみに録音に立ち会ったアメリカ人プロデューサー氏は、悪役を演じた中尾隆聖さんとチョーさんの芝居に大笑いしていた。言葉がわからなくても、あのお二方の名調子は伝わるのですね)。
本作は全編が3Dカメラで撮影された、正真正銘の3D映画。巷には「通常のカメラで撮影して、後で変換する」という「後付け3D映画」も多いのだが、それに比べてやはりハナっから3Dで撮った純正品は迫力が違う(と、思う)。予告編でも見られた、ビルの谷間をスパイディが飛び回る主観映像は、文字通り目くるめくスピード感。その迫力を隅々まで堪能したい向きには、吹替え版がお勧めである。
主役のスパイディとヒロインのグウェンを吹替えるのは、前野智昭さんと本名陽子さんという人気・実力ともトップクラスの若手コンビ。亡き父の同僚だった科学者にして、実は…のコナーズ博士に内田直哉さん、ヒロインの父親であるステイシー警察署長に菅生隆之さん。本格派声優陣の声を得て、スパイダーマンは更なる高みへと跳躍していく。
「目撃せよ!スパイダーマン誕生の真実を」(『アメイジング・スパイダーマン』キャッチコピーより)。
乞うご期待。
追記:上記文中に登場するニコラス・ハモンドについて、当サイトのコラムで御同席いただいているダークボ氏より「彼、『サウンド・オブ・ミュージック』のフリードリッヒですよ」との御指摘が。浅学な筆者は「誰?」などと失礼なことを言っておりますが、さすがダークボ氏は見識が高い。ありがとうございます!そうかー。トラップ家の長男坊もちょっと見ない間に立派になっ(…たのかなこの場合はw)
東映版『スパイダーマン』主題歌収録。ヒデ夕樹のボーカルに燃えろ!
毎日ジメジメ。洗濯物は乾きにくいし、早く梅雨が明ければいいのに~(怒)
さらに今年は、6月なのに台風がくるし、ホントに異常気象!?
どんなに頑張っても自然には逆らえず…。まあしょうがないか。
“なるようになれ”だ!!
さて、今月の作品は、1992年に公開された
です。
原作は、トム・クランシーの人気小説、ジャック・ライアンシリーズの『愛国者のゲーム』です。
CIA分析官を辞め、アメリカ海軍兵学校の教官となったジャック・ライアンは、家族とロンドンに来ていた。
仕事を終えたライアンは、家族の待つバッキンガム宮殿の広場に向かう。そこで、IRAのグループのイギリス王室のホームズ卿襲撃に出くわすが、見事に助け、その一味であるショーンの逮捕に協力した。その際、ショーンの弟を射殺してしまったことにより、ライアン一家は護送中に脱走したショーンの復讐のターゲットに。
そして、なおもホームズ卿を狙うIRAグループ達の事件に巻き込まれていくのであった。
ライアンを演じるハリソン・フォードのかっこよさを、ご存じ菅生隆之さんがよりかっこよく、妻のキャシー、アン・アーチャーには弥永和子さん、ライアンの上司であるグリーア提督、ジェームズ・アール・ジョーンズを今西正男さん、弟の復讐に燃えるショーン、ショーン・ビーンの硬骨感を大塚明夫さんが固め、IRAのケビン、パトリック・バーキンに玄田哲章さんと、ものすごいメンバーで観れます! 聞けます!!
ライアンシリーズは『レッド・オクトーバーを追え!』と『今そこにある危機』が映画になっています。
こちらも是非ご覧あれ!
2作目は、スザンナ・ケイセンによる自伝が原作の1999年
薬物大量摂取による自殺未遂を起こして、精神科病院に収容されたスザンナは、自分がパーソナリティ障害になっている事に自覚がない。その状況に戸惑うスザンナだったが、病棟のボス的存在であるリナに惹かれていくうちに、ここが自分の居場所だと感じるようになる。しかし、リサの行動に疑問を持つようになったことから、リサに疎んじられ、他の患者からもどんどん孤立していくが…。続きは観てのお楽しみ。
スザンナ役のウィノナ・ライダーも同じ障害を持ち、入院歴がある。そんな複雑な心境を高橋理恵子さん、リサのアンジェリーナ・ジョリーに湯屋敦子さん、他の入院患者の少女、ジョージーナ、クレア・デュヴァルに本田貴子さんやデイジー、ブリタニー・マーフィに小島幸子さんがあてられています。
本作品は、若手演技派女優の競演と共に声優陣の演技もこれまた絶品です。
じっくりとご覧ください。
最近は、地上波のゴールデンタイムで劇場未公開映画が放送されることはほとんど無くなってしまいましたね。昔はあの「日曜洋画劇場」でも、『宇宙から来たツタンカーメン』とか定番だったのに。
とりわけわがテレビ東京の大先輩たちは、他局が大ヒット作の争奪戦をしている間も未公開映画の発掘に余念がなかったので、数々の「トラウマ映画」を世に問うてくれたものですが、さすがの「木曜洋画」も俺が担当する頃にはすっかりメジャータイトル中心の番組になっていました。
それでもたまに、これぞと思うマイナー映画をあえてラインアップするのは、メジャータイトルを扱う以上の秘かな愉しみでした。未公開作と言えども、いや未公開作だからこそ、ふきカエにもリキが入るというもの。それに何が楽しいって、放送タイトルを勝手に決められるのがサイコー! 今回は畏れ多くも自分が命名したタイトルの中から、特に手応えがあった3本をご紹介します。
『スターシップ・トゥルーパーズ』のキャスパー・ヴァン・ディーン主演。これから起こる大惨事の現場を未来から「見物」に来ているタイムトラベラーに気付いた主人公が、大惨事を未然に防ごうと悪戦苦闘するSFサスペンスです。
画面的にはチープさが目立つテレフィーチャーですが、なぜか「木曜洋画」では大ウケ! 放送するたびに予想外の高視聴率をゲットしました。平田広明さん、田中敦子さん、佐々木勝彦さんほかのノリノリふきカエが効いたのだと思いますが、雰囲気押しの邦題も多少は貢献してくれたかな? ちなみにこの邦題、カギカッコ込みで1行10字の新聞ラテ欄にぴったり2行で収まるように作りました(笑)
DVDタイトルは『タイム・シーカー』ですが、もう廃盤かなあ…興味があれば探してみて下さい(ふきカエ入ってるかな?)。
オスカー俳優のジェレミー・アイアンズとフォレスト・ウィテカー、「ビバヒル」のジェイソン・プリーストリー、シャーロット・ランプリングという、劇場未公開なのが意外なほどの豪華キャストが魅力のサスペンスアクション。テロリストに家族を殺された男の壮絶な復讐、という『コラテラル・ダメージ』みたいな定番ストーリーですが、俳優陣が演技派だけに、見応え充分です。
「木曜洋画」版のふきカエで、アイアンズを渋くアテてくれたのは菅生隆之さん。太っちょのウィテカーが意外にハマったのは山路和弘さんでした。
DVDタイトルは、原題通りの『フォース・エンジェル』。「第四の天使」とは、本編最後に引用される聖書の「ヨハネの黙示録」の一節に登場する言葉ですが、これじゃ意味不明ですよね…ということで、『エクスタミネーター』っぽいヒーローアクション風のタイトルを捏造してみました。
『ブリキの太鼓』などで知られるドイツ映画の巨匠、フォルカー・シュレンドルフ監督がなぜこんな映画を…と驚く、まさかのエロティック・サスペンス。
ビデオタイトルは原題通りの『パルメット』ですが、これも何のこっちゃわかりませんよね(パルメットは映画の舞台となる田舎町の名前です)。で、もっとグッとくるフレーズはないかと考えたら、男を食い物にする悪女ヒロインの名前が「レア」。レアと言えばお肉(?)…ということで、この邦題であります。
「木曜洋画」版のふきカエで、魔性の女レア(エリザベス・シュー)をセクシー増量でアテてくれたのは小山茉美さん。そしてレアに翻弄される男(ウディ・ハレルソン)ともう一人のヒロイン(ジーナ・ガーション)を、屋良有作さんと佐々木優子さん、つまり「ちびまる子ちゃん」のお父さんとおばあちゃんに演じて頂きました。
この作品、今のところDVDは未発売のようで、まさに“レアもの”ですが、機会があればぜひ。
…というわけで、紹介したところで観られるチャンスがなかなか無さそうなヤツばかりですみません。記憶の片隅にブックマークしておいて頂ければ…。
[作品画像はAmazon.co.jpより]