※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。
あけましておめでとうございます。今年も素晴らしいふきカエ作品をどんどんご紹介していきますので、旧年に変わらずお引き立てくださいますよう。
さて、「ミッション・インポッシブル」「タンタンの冒険」に「リアル・スティール」と大作が華やかに競い合うお正月の映画界ですが、その一方で劇場のスクリーンに映し出されることなくDVDのみでリリースされるタイトルがあります。
「えー、DVDスルーの映画って『アルマゲドン・インパクト』とか『アバター・オブ・マーズ』みたいなB級作品でしょ?」とお考えの向きもありましょうが、いや確かにそういうのもあるんですけど、良い作品なのに公開のタイミングや劇場の確保といった諸般の事情により、図らずも劇場公開の陽の目を見られなかったタイトルも多々あるのですよ。
今回は、大画面テレビやブルーレイの普及で家庭でもハイ・クオリティな映像を楽しめるようになった今、「お家でロードショー」を楽しめる作品をいくつか御紹介しましょう。
ブラジル生まれの飛べないインコ‘ブルー’は、飼い主リンダと一緒にミネソタ州の小さな田舎町の本屋で仲良く暮らしていた。ある日訪ねてきた鳥類学者チュリ オが、ブルーが絶滅種のインコであることを告げ、仲間たちを救うためにリオデジャネイロへ行くことを提案する。リンダと一緒に訪れたリオで、ブルーは同じ種のジュエルに出会い、一瞬で恋に落ちる。しかし、その夜、ブルーとジュエルは何者かに捕らわれてしまい…。[画像はAmazon.co.jpより]
世界中でヒットした「アイス・エイジ」のスタッフが再結集。前作では見事に氷河期を作り上げましたが、今度は鳥たちの世界をカラフルに描きます。その色彩たるや、豪華絢爛の一言。インコや九官鳥を始めとする極彩色の鳥たちが画面いっぱいに飛翔する姿が、ため息が出るほど美しいCGで再現されています。
特に、それまで文字通り『カゴの中の鳥』だったブルーが、知り合った雌インコのジュエルに導かれて(というか半ば脅されて)初めて空を飛ぶシーン。意を決して羽ばたいた彼が、うまく飛べずに地面へ急降下…といった一連の手に汗握るシーンを、ブルーの主観から一転して彼のアップ、そして雄大な景色を捉えた俯瞰まで、流麗に切り替わるカメラワークで映し出します。まさにCGアニメならではの映像。加えて、舞台となるリオデジャネイロの暑い空気まで感じられるのは、ブラジル出身の監督カルロス・サルダーニャの手腕によるものでありましょう。ストーリーのほうも歌ありロマンスありアクションあり、ハリウッドってこういう映画を作るのホント上手いんだよなあ、口惜しいけど。
そこで吹替え版も山口勝平さんや恒松あゆみさんを始め芸達者が顔(…声?)を揃えて、オリジナル版に負けないすばらしい仕上がりになっています。是非ご家族揃ってどうぞ!
ニューヨーク市警のアレンとテリーはその性格が災いし、いつもヒーロー刑事の活躍を恨めしくながめるだけの“アザー・ガイズ=その他大勢”。上司からは見放され、手渡された拳銃は木のオモチャ。移動は日本製のエコカー。長いものにはすぐ巻かれる。そんな2人が無謀にも、市民を食い物にしてきた金融業界に巣食う国家レベルの“巨悪”に立ち向かっていく!果たして2人は真のヒーローになれるのか!? [画像はAmazon.co.jpより]
こちらは一応劇場公開されたんですが、「お蔵入り決定だったのが諸般の事情でバタバタと公開が決まり、特に宣伝もされずあっという間に終了」という、実質的には未公開に近い作品。「いや俺、劇場で見たぞ」という奇特な方、あなたとはお友達になれそうです。こんど一杯やりましょう。
古くは「あぶない刑事」から最近では「相棒」と、刑事ドラマには「バディもの」というジャンルがあります。個性的な二人の刑事がコンビ(=バディ)を組んで事件を解決していくというアレ。この作品だとドウェイン・ジョンソンとサミュエル・L・ジャクソンが「主役の二人」なんですが、その後ろで何となくウロチョロしているその他大勢の刑事たち。彼らだって刑事として真面目に働いてるわけで、これはそんな「アザー・ガイズ」が主役の爆笑コメディです。
主演は未公開コメディといえばこの人、のウィル・フェレル。業界では「彼が主演でタイトルが『俺たち○○』だとまーず当たらない」というジンクスがある不遇な人。やっぱ日米じゃコメディに対する感覚が違うから難しいのかなあ、見れば絶対面白いんだけどなあ。とにかく全編、怒涛のようなギャグの連発。私も劇場で見たんですが、正直言って字幕が追いつかず、イマイチ笑えませんでした。やっぱコメディは吹替えじゃないとねえ。
日本で劇場公開される外国映画が、近年だと年間で大体400本ぐらい。対してアメリカでの公開本数は800本以上なので、実に半分が映画館では上映されません。当然その中には上の二本のような傑作も含まれています。コタツでミカンなんぞ剥きながらDVDを見ていて、そんな映画にめぐり合ったときの喜びたるや…いやそこまでの話じゃないか(笑)
でも、知られざる傑作というのは意外にたくさんあるのですよ。「お家でロードショー」、お勧めです。
さて。早いもので「ふきカエル大作戦」のウェブサイト、そしてこの拙コラムも始まって一年になります。今年もより面白い吹替え作品を御紹介してまいりますので、引き続き御贔屓のほど、よろしくお願いいたします。
皆様の2012年がよい年でありますように。
明けましておめでとうございます。
いろいろあった2011年が終わり、新しい年がやってきました。
お正月はいかがでしたか?旅行に行った人、家でダラダラした人、おもちを食べすぎた人…。えっ?それは私だって!? そうなんです。食べすぎ、飲み過ぎ、もう大変!! おかげでまた体重が…。恐ろしい~~~!! 気をつけなければ~。
さあ、新年の抱負が決まったところで気持ちも新たに、今年の1作目、1985年に公開された
を紹介します。
オレゴン州にある田舎町グーンドック。主人公マイキーの家は借金だらけ。今にも立ち退きの書類にサインをしなければならない状態。
そんなマイキー率いる仲良し4人組は、偶然、伝説の大海賊「片目のウィリー」の残した宝の在処を記した地図を発見。4人はさらに3人の仲間を加え、家族を助けるために大冒険に出発する。しかし、宝を狙う大悪党のフラッテリー一家の追跡、妨害にあってしまうのだった。
ふきカエのキャストは、2パターン。
〈DVD版〉 | 〈25周年記念版〉 | |
マイキー(ショーン・アスティン) | 浪川大輔さん | 藤田淑子さん |
マウス (コリー・フェルドマン) | 飯泉征貴さん | 野沢雅子さん |
チャンク(ジェフ・コーエン) | 岩淵 健 さん | 坂本千夏さん |
データ (キー・ホイ・クァン) | 藤田哲也さん | 菅谷政子さん |
2作目は映画ではなく、大好きなテレビシリーズから。
私のベスト5に入る、その名も
この作品は、サンフランシスコ市警のぶったまげ刑事、スレッジ・ハマーが主人公だぜっ!!
相棒はカンベ君!ではなくて、女性刑事ドリー・ドローとともに事件を解決!?していく様や、署長のエドマンド・トランクとのやりとりの愉快痛快な事と言ったら、文句なし!!
ですがこの面白さは、ふきカエでないと味わえないのです。
ハマーこと羽佐間道夫さんの、本編とは関係がないセリフや、意味不明なアドリブの連打。ドローの小宮和枝さんも楽しんでふきカエている感じだし、トランクの内海賢二さんが「ハマー!!」とお説教するシーンなど、ふきカエならではの笑いが満載です。
寒い冬をハマーでぶっ飛ばせっ!!
そして、ヲタクの私はハマーが所持しているマギーちゃんもどきをGetして、いつも枕元に置いています。
新年おめでとうございます。
今年も「テレビの吹替え」にこだわって行くぞー!と宣言してはみるものの、2011年もテレビ用の新録は減る一方でしたね…。ここしばらくでは「日曜洋画劇場」の『ゲット スマート』が辛うじて気を吐いてくれたくらいで。
では過去に制作された吹替え版はどうかと言うと、地デジ化がほぼ完了(岩手・宮城・福島の3県は今年3月)した今、アナログ放送用のSD画像素材しか存在しないという理由で、数々の名作がなかなか放送されずに埋もれてしまうという忌々しき事態も進行しています。
そんなご時世に、様々なテレビ用吹替え版をコンスタントにオンエアしてくれて、一視聴者として重宝している番組が、わがテレビ東京の「午後のロードショー」(毎週月~木曜午後1時25分)。
最近はDVD版の吹替えの転用も多くなったし、SD素材が放送しづらいのは他の番組と同様ですが、HD素材さえあれば、意外な作品の名吹替え版が見違えるような高画質映像で甦ることも少なくありません。テレビ局の人間としてはあまり録画をおすすめするわけにはいかないのですが、まあ必録ですよね(笑)
そんな「午後のロードショー」の今月最大の目玉は、クリント・イーストウッド特集。
これまでも、イーストウッド御大の新作が公開される度にタイミングよくラインアップされてきた人気特集ですが、今回はこの3本です。
1月24日(火) 『アウトロー』
1月25日(水) 『目撃』
1月26日(木) 『ブラッド・ワーク』
『アウトロー』 | 『目撃』 | 『ブラッド・ワーク』 | ||
[画像はすべてAmazon.co.jpより] |
この原稿を書いている時点では、放送に使用される吹替え版が確認できていないのですが、はっきり言えるのは、3本とも主演・イーストウッドの声が異なること。
『アウトロー』(1976)は、イーストウッドと言えばこの人、山田康雄さん(ルパン!)。
山田さんの逝去後に公開された『目撃』(1997)は、TV版は故・野沢那智さんで、DVD版は納谷悟朗さん(銭形のとっつぁん!)。
そして21世紀最初のイーストウッド映画『ブラッド・ワーク』(2002)は、TV版は瑳川哲朗さんで、DVD版は小林清志さん(次元!)。
DVD版はこの通り、山田康雄さん亡き後を「ルパン三世」チームが引き継いでいるんですねー。『目撃』のイーストウッドの役は大泥棒で、『ブラッド・ワーク』では老刑事ですから、「ルパン」的には納谷さんと小林さんが逆のような気もしますが、これはこれで面白いキャスティング。
今回の「午後ロード」はおそらくどれもTV版での放送になると思いますので(違ったら申し訳ない)、DVD版も合わせて5者5様のイーストウッドを聴き比べてみるのも一興ではないでしょうか。
なお、ちょっとフライングして先取り情報を…2月にはBSジャパンでも、イーストウッド映画をラインアップしています。(「BSジャパンシネマポータル」はこちら)
そのうちの1本、大ヒットシリーズの原点