声優・玄田哲章
───玄田さんと言えば、その声がとても印象的なのですが、維持をする為にはどんな事をなさっているのですか?
20代の時は薔薇座で肉体的な限界の所までやっていましたね。勿論、30代でもやったけれども、やっぱり20代は色々やりましたね。それで今があるのだと思うので、20代の時の財産だと思います。
───おいくつくらいから今の声になったのですか?
16、7歳から変わってませんね。
───10代からですか!
だから、若年寄って呼ばれていました。
───玄田さんがお好きな吹替え作品は何ですか?
『アパートの鍵貸します』のシリーズで、愛川欽也さんが吹替えていた『あなただけ今晩は』ですね。主役のジャック・レモンが大好きなんです。映画館では字幕版しかやっていなかったので、テレビで吹替え版をみていました。ですから、仕事でご一緒した時には感動しました。
───玄田さんと言えば、やはりアーノルド・シュワルツェネッガーですね。一番最初にシュワルツェネッガーを吹替えたのはどんな作品でしたか?
『コナン・ザ・グレート』ですね。ただ、日本での反響が大きかったのは『コマンドー』でしょうか。髪を刈り込んで、たった1人で敵に立ち向かう姿がうけたんでしょうね。この頃からスタローンの人気に迫る勢いが出てきていました。アクションだけではなく、『ツインズ』というコメディや『ターミネーター』もヒットしましたし、監督や脚本に恵まれた役者ですよね。たまに決め台詞を要望されるのですが、日本国内では「I'll be back」が流行っていても、実際に僕が言った訳ではないので、複雑な気持ちになります。(一同笑い)
あまりにも有名になりすぎちゃって。これは仕方ない事なんですけどね(笑)
───では、敢えてお伺いしますが(笑)これまで吹替えをなさっていて、一番印象に残っている台詞は何ですか?
もう一度、言います。僕が直接喋った台詞ではありませんが、「I'll be back」です。(一同笑い)
───声優を目指している方々にメッセージをいただけませんでしょうか?
今、この業界は非常に厳しい状況が続いていますが、まず自分を信じて下さい。そして、その意思を貫いて下さい。自分が信じた道ですから、他人の事よりも自分の目標をしっかりと持って歩んで欲しいと思います。
焦る必要はないと思うんです。様々な経験が表現へと繋がります。その経験は人それぞれで、すぐにできる事ばかりではないですし、また全てを経験できる事でもありません。
例えばある台本を貰って、すぐにやらなければいけない事があったとすると、いつのどの経験が役に立つかわからないですから、色々な経験を積んでいた方が、より豊かな表現に結び付くのではないでしょうか。
とにかく、経験をして「身体で感じる」という事が大事だと思います。
───最後に今後のご予定や、目標をお願いします。
いやぁもう今はまず痩せる事ですね。自分の標準体重ってあるでしょう?そこに戻す事です。
あと12キロです。今、ジムに通っているんですよ。インストラクターの方とメニューを決めて、食事の事も話し合っています。やはり身体が資本!頑張ります!
───その声から、屈強でこわもてなイメージがある玄田さんですが、笑顔がとってもお優しく、さらにユーモアを交えてお話しをしていただきました。
玄田さんがオプティマス・プライムを吹替えていらっしゃる、トランスフォーマー最新作『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のブルーレイとDVDが2011年12月16日に発売されます。
ロボットなのにとっても人間味あふれるオプティマス・プライム。玄田さんの声で、ぜひお楽しみ下さい。
インタビュアー:水落幸子
リライト:鶴岡 聡
撮影:Mot