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五代目ボンド、ピアース・ブロスナン参上!過去にボンド役のオファーがあった時は『探偵レミントン・スティール』の出演契約が残っていて叶わず、今回は満を持しての登板となりました。テレビでの初放映は99年4月の日曜洋画劇場で、ブロスナン・ボンドの声優は田中秀幸氏。日曜洋画では『ターミネーター』や『エイリアン2』のマイケル・ビーンを担当、テレビ朝日の信頼も厚いベテランです。敢えて感情の起伏を抑えた芝居は飄々と任務をこなしていくブロスナンにベストマッチで、これ以降テレ朝でのブロスナン・ボンドは全て田中氏が演じました。それに対するは磯部勉・金尾哲夫の悪役コンビで、これがまたお二人の真骨頂というか、とにかく憎ったらしくて絶品。加えて、ファムケ・ヤンセン(声:小山茉美)の太股に挟まれたいと思った男性も多々…え、俺だけ?
五代目のお披露目を無事に済ませ、いよいよブロスナン・ボンドの本格稼働です。真価が問われる二作目は、古き良きボンド映画のフォーマットを見事に守った王道の作品。臆面もなく「私が世界を支配するのだ!」と宣言する悪のメディア王(ジョナサン・プライス)を吹替えたのは羽佐間道夫御大で、その所為か世界征服の大風呂敷も五割方デカく広がっております。いやー、やっぱり007はこうでなきゃねー。さらに今回は定番の田中ボンドに加え、フジテレビ版も収録。こちらのボンドは90年代、ゴールデン洋画劇場の看板声優だった江原正士氏です。田中ブロスナンに比べるとクサいっちゃあクサいんですが(笑)そこはそれ、本作は「王道」ですから!さらにフジテレビ版では、かつてのボンド役から華麗な転身(?)を遂げた小川真司氏の悪役芝居も堪能できます。
007の王道を極めた前作から一転、シリーズ20作目は『女王陛下の007』や『消されたライセンス』から連なる「番外編」となりました。シリーズ中、最も複雑な背景を持ったボンドガールに扮するは80年代にティーンのアイドルだったソフィー・マルソー(声:佐々木優子)。「お、俺のソフィーがあんなコトやこんなコトを!」と客席で身悶えた『ラ・ブーム』世代の男性ファンも多いでしょう。もちろんアクション・シーンも満載です。特にオープニングで、高らかに鳴り響くジェームズ・ボンドのテーマをバックにMI6本部を飛び出すQ課特製のジェット・ボート。そこから迫力のボート・チェイスを経てタイトル曲に繋がっていく一連のシーンは、自らも007ファンである作曲家デヴィッド・アーノルドの名スコアと相まって、シリーズ中屈指のアクション・シークエンスとなっています。
ピアース・ブロスナン最後の登板となったシリーズ21作目。ブロスナン・ボンドのフィナーレを飾るかのように、前年の『チョコレート』で見事アカデミー賞の主演女優賞に輝いたハリー・ベリーが出演しています。オスカー女優がボンドガールを演じるのはこれが初めて。『ドクター・ノオ』の初代ボンドガール、ウルスラ・アンドレスにリスペクトを捧げた登場シーンは必見です(ちなみにオスカー受賞後のハリー・ベリーは演技派に転向するどころか、フィルモグラフィには本作に加え『X-MEN2』に『キャットウーマン』と、何とも素敵なタイトルが…まさに女優の鑑)。そして今回の悪役ザオを吹替えたのは池田秀一氏。言わずと知れたシャア少佐ですが、「ボンド君、君の生まれの不幸を呪うがいい」…てな事は言いません(当たり前だ)。
そして遂に登場した六代目ボンド、ダニエル・クレイグ。吹替え版にはこちらも新星の藤真秀氏が抜擢され、全く新しいボンド像を作り上げました(詳しくは2012年12月の「ふきカエレビュー」をご参照ください)。監督のマーティン・キャンベルは五代目のピアース・ブロスナンが登場した『ゴールデンアイ』でもメガホンをとっていて、新ボンドの襲名披露には欠かせない監督。本作でもイキのいい素材を切れ味鋭くさばいています。特に映画の冒頭、いつものガンバレル無しにいきなり本編が始まって、あれあれと思っていたら…うーん、そう来たか!の展開は見事です。そして悪役ル・シッフルの声は『アイアンマン』のヒーローから『ダークナイト』のジョーカーまで、幅広く活躍する藤原啓治氏。爬虫類的な雰囲気のマッツ・ミケルセンを怪演しています。