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前作『ムーンレイカー』で宇宙にまで行っちゃって「…さすがにこりゃボンドじゃないなー」と反省(?)したのか、シリーズ12作目は初心に帰ったタイトなアクション映画に。アクション監督出身のジョン・グレン演出のもと、ロジャー・ムーアも五十路の身に鞭打って生身のアクションに挑戦して(いるように見え)ます。追い詰めた敵の殺し屋が命乞いをするのを、容赦なく車ごと断崖から蹴り落とすといった、ムーア・ボンドらしからぬハードな描写も。そのせいか広川太一郎氏の吹替えも、いつものユーモアの中に冷徹さが垣間見えます。加えて今回の見どころ(聞きどころ?)は悪役クリスタトスを吹替えた穂積隆信氏の名演。俳優としては青春ドラマのコミカルな教頭先生役が有名ですが、穂積氏の真骨頂は本作や『荒野の七人』における、凄味の利いた悪役だと思います。
前作で原点に帰ったボンド映画ですが、その初心を忘れるのもまた早かったようで(笑)いきなり小型ジェット機「アクロスター」と自動追尾ミサイルの追いかけっこという、派手なギミック満載のアクション・シークエンスから始まる第13作。今回ボンドは、ソ連のタカ派と結託した大富豪カマル・カーン(吹替えは田口計氏の嫌味ったらしい悪役演技が炸裂)の陰謀を追ってインドへ。ボンド映画お得意のエキゾチック(←頓珍漢とも言います)な描写が満載です。ヒロインは『黄金銃を持つ男』に続いて二度目の登板となった、ボンド・ガールとしてはシリーズ最年長のモード・アダムズ。で、吹替えが来宮良子さん。あー、なるほ…いやその。今でもその低音を生かしてナレーション等で御活躍中の来宮さん、本作では貴重なラブシーンまで…何と言うか、その、圧倒的ですこれは。
ボンド映画には珍しく、原題とかけ離れた邦題がつけられたシリーズ第14作。確かに『VIEW TO A KILL』なんて訳しようがありませんが。本作の撮影時点でロジャー・ムーアも御年57歳、さすがにもう…ということで、ムーア・ボンドはこれで有終の美を飾ることになりました。今回の敵はシリコン・バレー壊滅を企む実業家マックス・ゾーリン、演じるはクリストファー・ウォーケン!『ディア・ハンター』を始め線の細い青年のイメージだったウォーケンが、稀代の怪優へと変貌していく第一歩だったと思います。狂気が服を着て歩いているような悪のカリスマを日本語版で演じるのは…もちろん、野沢那智氏。映画のラスト、金門橋の上で展開する広川ムーアvs野沢ウォーケン、まさに「両雄並び立たず」のラスト・バトル。今は亡きお二人の名演が記された、貴重な吹替え版です。必見。
雪山でのスキー・チェイス>四代目ボンド、ティモシー・ダルトン見参!『マクベス』の舞台を見て俳優を志し、王立演劇学校出身という硬派な経歴を持つダルトン。先代ムーアのソフトなイメージから一転、ハードなボンド像を作り上げました。ウィーンの街中で敵を狙撃するシーンなど、改めて「あー確かにこの人、殺しの許可証持ってたわー」と思い出させるほどの殺気を放っています。まあ、その分ラブシーンが少々カタいのは御愛嬌ってことで…。本作も吹替え版は2バージョン収録で、一人目のボンドはマイケル・ダグラスでも知られる小川真司氏。硬質で端正な演技は、シェイクスピア仕込みのダルトンによく似合います。そしてもう一人はガンダムのブライトさんこと鈴置洋孝氏。それまでほぼTBSが独占していた007を、初めてテレビ朝日の日曜洋画劇場が制作した記念すべき吹替え版です。
ボンド映画には、その内容から「シリーズ番外編」と言える作品がいくつかあります。ボンドの個人的な心情に踏み込んだ『女王陛下の007』や『スカイフォール』に並び、本作もそういった「番外編」のひとつ。長年の盟友であるフェリックス・ライターを襲った悲劇。怒りに燃えたボンドは、任務ではなく友の復讐を果たすため、殺しのライセンスを返上して麻薬王サンチェスに戦いを挑みます。高性能のボンドカーもハイテク秘密兵器も登場せず、文字通り血で血を洗う死闘が繰り広げられるハードな一篇。そして吹替え版は前作に続く小川真司版に加え、我らが山ちゃんこと山寺宏一版を収録!いやーさすがに何やってもカッコいいなあ口惜しいけど。ブラッド・ピットにジム・キャリー、TVの司会から物まねまでこなす天才声優が演じた、唯一のボンド作品。御堪能ください。
最長・最良のTV放送吹替え音声を収録 全作HDマスター使用
〈企画協力〉フィールドワークス 〈発売・販売〉キングレコード