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前作で登場したジョージ・レーゼンビーの評判が芳しくなく、ショーン・コネリーがボンド役に復帰。でも暫く休んでた間にすっかり貫禄がついてしまったコネリー御大、若作り(?)のメイクもあって、一種ギラついた凄味のあるボンドに。そのせいかどうか、今回収録されている吹替え2バージョンのうち90年録音版でコネリーを吹替えているのは、何と内海賢二氏(驚)!…まあ一番驚いたのはオファーされた御本人だったと思いますが。実際聞いてみると…いやぁ、濃いなあ(笑)。でも前述のようにボンドもずいぶん濃くなってるので、ある意味ベストマッチかも。若山版と聴き比べてみましょう。さらに若山版ではかつてコネリーを吹替えた日高晤郎氏が脇役を演じていて、つまり二つの日本語版で三人のボンドが入り乱れるという、何が何やらの乱戦模様を呈しております。
三代目ボンド、ロジャー・ムーア登場!ボンドがぐっと若返って見えるのは彼の軽妙洒脱なキャラによるものでしょう(実はショーン・コネリーより年上)。本作もTV版の吹替えを2バージョン収録していますが、どちらもボンド=広川太一郎氏なのは当然として、注目は悪役のカナンガ。なんと『ロシアより〜』のレッド・グラントと同じく、両バージョンとも内海賢二氏が吹替えているのです。あなた前作じゃボンドやってたじゃないすか!ま、確かにヤフェット・コットー演じるカナンガの容貌(黒くてデカくて凶悪!)を見れば、あーこりゃ内海さんだわー、としか思えませんけども。全く、この人の声ってどんだけ悪いんだよと(あ、御本人はとてもよい方です!ホントに!)…さらに元ゴールドフィンガー・滝口順平氏も、愛すべきペッパー保安官役を両バージョンでコミカルに演じています。
ロジャー・ムーアも二作目とあって、ずいぶん肩の力が抜けてきた感じ。ムーア・ボンドの特徴である“お気楽極楽路線”の萌芽が見えます。殺し屋スカラマンガを演じるのはドラキュラ伯爵ことクリストファー・リー、吹替えは定番の千葉耕市氏で悪役感倍増。彼の持つ黄金銃が当時は死ぬほど欲しかったのですが、同じことを考えた御仁はいたようで、後年レプリカが発売されました。でも55,000円の価格は大人買いするにもあまりに高額で(泣)。そしてボンド・ガールはブリット・エクランド。これがまあドジっ娘で、全編ビキニ姿で騒ぎまくった挙句、お尻でビーム兵器の発射ボタンを押してしまうという(萌)…後年『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でケイト・キャプショーが同じようなことしてたのは彼女へのオマージュですな。そんな御本人からのコメントはこちら↓
雪山でのスキー・チェイス>崖から飛び出すボンド>開いたパラシュートはド派手な英国旗>そこで主題歌の前奏が…。007史上に残る名オープニングで始まるシリーズ十作目は、まさに豪華絢爛。冒頭のスイス・アルプスから、ピラミッドでの強敵ジョーズとの闘い、海中からミサイルを発射する水陸両用のロータス・エスプリ、原潜を丸呑みする巨大タンカー、海底基地アトランティスで世界征服を企む悪の大富豪と、もう出るわ出るわ。007がゴージャスの頂点を極めた一作です。そんな特盛りなのに胸焼けしない理由は、やはりロジャー・ムーア=広川太一郎氏のキャラクター。いつもユーモアを忘れずスマートでダンディなボンドは、広川氏をおいては考えられません。2バージョン収録の吹替え版で、鈴木瑞穂氏と大塚周夫氏の“悪の帝王対決”もお楽しみに。
前作で“ゴージャス特盛り全部乗せ”をやってしまった007シリーズは、更にスケールアップして遂に宇宙へ…というより、『スター・ウォーズ』(日本では前年の78年に公開)に始まる一連のSF映画ブームに乗っかった、というのが本当のところ。今回の敵はスペース・シャトルを使って人類絶滅を企む大富豪ヒューゴ・ドラックス、吹替えは…うわ、また内海さんだ(笑)。これで悪役を演じること通算五回目という快挙です。個人的には75年の『O嬢の物語』で全国の青少年のリビドーを鷲掴みにしたコリンヌ・クレリーの出演が萌えポイントだったのですが、露出度はゼロでした(泣)…また、前作から続いて登場のジョーズは今回なんとボンドの味方に転身、映画のラストではついに台詞を喋ります。一言だけのその台詞を日本語版で吹替えたのは…な、なんと贅沢な(驚)!