藤真秀×江原正士×武田華インタビュー

2013年5月8日発売の『007 慰めの報酬』はテレビ放送吹替えを彷彿とさせる豪華吹替えキャストの新録版!!
六代目ボンドを演じる江原正士さん、ボンド・ガール、カミーユ役の武田華さんにお話しを伺いました。

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───まず本作でジェームズ・ボンドを演じています、藤真秀さんです。藤さんは、今回の『慰めの報酬』【TV吹替キャスト・新録版】で、六代目ボンドのダニエル・クレイグの作品でボンドの声を全て担当されたことになりますが、今回の意気込みをお聞かせ願います。
藤真秀さん:『カジノ・ロワイヤル』が「日曜洋画劇場」で放送される際にオーディションがありまして、そこでボンド役をいただき、演じさせていただきました。その時は吹替えの日(経験)も浅かったので、非常に緊張して演じたのを覚えています。今日も緊張しているんですが。

───ありがとうございます。つづきまして、今回のボンド・ガール、カミーユを演じます武田華さんです。武田さんは前回の『カジノ・ロワイヤル』オーシャンクラブの受付嬢役からの大抜擢ですが、ボンド・ガールを演じられるのはどんなお気持ちですか?
武田華さん:前回カジノ・ロワイヤルの頃は、まだ私は新人だったので、受付嬢の役でしたが、まさか続きの作品でヒロインを演じることができるとは、とても光栄に思っています。ボンド・ガールが決まった時にすぐ父に連絡したんですが、「それはおめでとう。でも大丈夫?」って心配されるメールが何回もきまして(笑)普段、私は子供の声ばかり、しかも男の子役が多いので、カミーユが大人になってゆく過程を、皆さんに支えられながら演じていけたらなと思っています。

───ありがとうございます。そして、敵役グリーンを演じられるのは江原さんです。『トゥモロー・ネバー・ダイ』の初回のTV放送で、ピアース・ブロスナンの五代目ボンドを演じられて、今回はボンドの敵役です。ご自身が演じる今回の役の印象はいかがですか?
江原正士さん:この『慰めの報酬』に出てくるグリーンという敵役は、シリーズで一番華奢で、印象が薄いというのが実感です。そしてなんとなくキモチ悪いかな、という…。その辺に焦点を当てて役を作り、本番を演じています。

───(藤さんに)ボンドを演じるにあたり、過去にボンドを演じた声優さんを参考にされましたか?
藤真秀さん:正直、参考にはしていません。名だたるすごい方が沢山いらっしゃいますが、とてつもないレベルの雲の上の方たちなので、僕が参考にするというのは不可能だと思います。また、歴代ボンドの中でも、ダニエルのボンドというのはちょっと異質というか、雰囲気が(他のボンドと)違う作品のような気もしていますので、以前のボンドの声の方々を参考にするというよりも、まず自分にできることを精一杯やらせていただきました。

───(江原さんに)以前にピアース・ブロスナンのボンドの声を演じられていますが、(クレイグのボンドと)比べてみていかがですか?
江原正士さん:僕はボンド・シリーズが大好きですが、ダニエル・クレイグの作品、前回の『カジノ・ロワイヤル』から、かなり強めのハードボイルドタッチの作品になったと思います。ピアース・ブロスナンの時は、まだ先代のロジャー・ムーアのような、ちょっとユーモアのあるところが見られました。ロジャー・ムーアとダニエル・クレイグと中間地点がピアース・ブロスナンかなと思うんですよね。そういう意味では、先ほど藤さんが仰っていましたが、ボンドが全く違うキャラクターになっています。ですから、それぞれ(のボンド俳優)の違ったボンド像を楽しむことができると思います。ぜひ私がボンドの声を演じた『トゥモロー・ネバー・ダイ』も楽しんで下さい!

───ボンドを演じるとまわりの反応って変わるものでしょうか。周囲からの賛否があったり、ボンドを演じることで従来との違いはありますか?
藤真秀さん:僕の場合は、吹替えの世界にはいって、そんな日が経っていない時に『カジノ・ロワイヤル』をやらせていただいたので、『カジノ・ロワイヤル』で、非常にお仕事が増えましたし、業界の方にも認知していただけたんじゃないかな、と思っています。
ただ、僕はインターネット含めいろんなことをやらないものですから、賛否はあるかともいますが、気にすることなくというか幸いというか、耳に直接入ってはきませんね。

───(武田さんに)これまで子供の役が多かったということですが、今回大人の女性を演じることになって、努力してみたところや、イメージとしたモデルはいますでしょうか?
武田華さん:ボンド・ガールといえば、ボンドとの絡みでセクシーなベッドシーンなどがありますが、カミーユは色気を内在していながらも、わりと健康的で野性味溢れる強さのようなものがあります。頑張って大人の色気に振ろうとは、あまり思わないようにしています。実際は私も大人ですから、等身大で、ただ内面には女性らしさを持っていることを意識しました。

───(藤さんに)TV放送吹替えの歴代ボンド声優陣が3人集まるというのを聞いた時の印象、また今ここに五代目ボンドと一緒に吹き替えることに、どのような感想をもたれましたか?
藤真秀さん:ボンド作品の出演者ということ以上に、この業界の、とてつもない先輩たちばかりとの共演ですので、少しでも追いついていけるよう、頑張ろうという気持ちです。少しでも大先輩たちの足元に早く近づけるよう頑張ります。

江原正士さん:とは言いましても、大胆に思い切り演じるのが最高なので、もうねエクスキューズは要らないでしょ(笑)。藤さんはカッコイイしね、『カジノ・ロワイヤル』とペアの作品なので、何としても盛り上げていきましょう!

藤真秀さん:(恐縮しながら)はい

江原正士さん:期待してます!
ふきカエルインタビュー第13回

於:ブロードメディアスタジオ


プロフィール
ふきカエルインタビュー第13回藤 真秀(ふじ しんしゅう)
東京都出身。モデルとして活動を開始、渡瀬恒彦さんの付き人を務めた後、役者デビュー。2007年頃より本格的に声優の仕事を始める。多くの映画・海外ドラマで主役を務める。

【吹替え】『007 カジノロワイヤル/慰めの報酬/スカイフォール』(ジェームズ・ボンド/ダニエル・クレイグ) 『タイタンの戦い/タイタンの逆襲』(サム・ワーシントン)、『ダークナイト』(クリスチャン・ベール) 、『クローザー』、『イ・サン』

ふきカエルインタビュー第13回江原 正士(えばら まさし)
神奈川県出身。劇団活動を経て、俳優・声優・ナレーターとして活躍。ハリウッドスターの声を多く担当するほか、幅広い演技で定評がある。

【吹替え】『メン・イン・ブラック シリーズ』エージェントJ(ウィル・スミス)、『ダ・ヴィンチ・コード』ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)、『ナッティー・プロフェッサー』クランプ(エディー・マーフィー)、アニメ『NARUTO』(マイト・ガイ)、NHK人形劇『新三銃士』(アラミス)、ゲーム『FINAL FATASY13』(サッズ・カッツロイ)他多数。

ふきカエルインタビュー第13回武田 華(たけだ はな)
神奈川県出身。ケンユウオフィス付属養成所トークバックを卒業し現在に至る。少年役からヒロインまで幅広い役柄で起用されている。

【吹替え】『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(オスカー/トーマス・ホーン)、『マイ・プリンセス』(イ・ソル/キム・テヒ)、『美人ライターレーンの恋愛記事』(レーン/ヒラリー・ダフ)、『チャウダー』(チャウダー)『ナルト疾風伝』(黒ツチ)、『団地ともお』(吉田由伸)


新録版『007慰めの報酬』は2013年5月8日発売の『007 TV放送吹替初収録特別版 DVD-BOX 第四期』に収録されています。
藤さん、江原さん、武田さん、その他豪華キャストの熱演をぜひご覧ください!

007 TV吹替初収録 特別版DVDシリーズ 公式サイト www.007fukikae.com/special

007 TV放送吹替初収録特別版DVD-BOX 第四期 
[製作50周年記念]007 TV放送吹替初収録特別版
DVD-BOX【第四期】

最長・最良のTV放送吹替え音声を収録
 

全作HDマスター使用
〈企画協力〉フィールドワークス
〈発売・販売〉キングレコード