BSテレ東・9/16(水)放送『アイガー北壁』【新録吹替え版】キャスト・ディレクターコメント

1936年ベルリン・オリンピック直前の夏、ナチスは国威発揚のためアルプスにそびえ立つ名峰“アイガー北壁”のドイツ人初登頂を強く望み、成功者にオリンピック金メダルを授与することを宣言した──実話を基に“殺人の壁”に挑んだ2人の若者とその幼なじみの女性の姿を、ダイナミックな映像と濃密な人間ドラマで描いた2008年のドイツ・オーストリア・スイス合作『アイガー北壁』が、9月16日(水)19:55より、BSテレ東にて放送される。今回初の収録となった日本語吹替版で、小林沙苗さん、堀内賢雄さん、多田野曜平さんら豪華キャスト陣から見どころと、思い出の吹替え作品をコメントいただきました!また、不思議な縁でこの作品の吹替えを担当した神本ディレクターからのコメントも掲載!
 
【吹替えキャスト陣からのコメント】
 
小林沙苗さん(ルイーゼ・フェルトナー役)
──今回の新録版の見どころ
険しい山に身体一つで挑んでいく4人の姿が物凄い緊張感で、まるで自分が崖にいるような錯覚になり、気がつくと全身に力が入っていました。トニーとアンディの人柄がとても魅力的で応援したくなります。吹き替えでさらに個性的に!そして、親近感がわくのではと楽しみにしてます(^^)
ルイーゼとしては、ラストのトニーに語りかけるシーン、感情的なところなので、どう吹き替えたらいいのか悩みました。ぜひご注目ください!!
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
『アダムス・ファミリー』
子供の頃に自分自身が吹き替えをすごく意識した作品で大好きです。『アイガー北壁』でご一緒した小林優子さんのウェンズデー役(日本テレビ「金曜ロードショー」放送版)がぴったりはまっていて可愛くて魅力的でした!
 
 
堀内賢雄さん(ヘンリー・アーラウ役)
──今回の新録版の見どころ
この作品の見どころはやはり死と隣合わせの山登りにかける、若者たちの情熱、そこに待ち受ける様々な試練、人間が死に直面したときの葛藤。その姿をいろんな気持ちで見守る人々、そこには人間の持っている業が浮き彫りにされます。自分自身に置き換えてみると、考えさせられてしまう作品です。そのあたりの心の動きを素晴らしい演技で表現している声優の匠の技にも注目してください。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
やはり、子供の時、白黒の画面で父親の布団にもぐり込み一緒に見た、戦争ドラマ「コンバット」ですね。父親の布団のぬくもり、戦争の恐ろしさ、今でも忘れられません。
 
 
多田野曜平さん(エディ・ライナー役)
──今回の新録版の見どころ
ワタシの持ち役には圧倒的にチビとハゲの役が多いのですが、意外に無かった「面長」役。今回は面長感満載でお届けしようと思います! ご注目くださーい。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
最近また再放送で観て勉強させてもらっている「刑事コロンボ」と「名探偵ポワロ」。昔の吹き替えってどうしてこんなに素晴らしいんでしょう。ワタシが大先輩に倣って吹替えに挑戦した『運び屋』や『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』も観てやってください。
 
 
鈴木琢磨さん(ヴィリー・アンゲラー役)
──今回の新録版の見どころ
「あの時の決断が、人生を左右する」誰もが1度は考えた事があると思います。人生の中で、何かに挑戦する事は、とても大切なこと。たとえ失敗しても、先の人生に必ず役に立つはずだから。でも、世の中には、命を失いかねない、絶対に失敗出来ない挑戦もあるのです。「あの時の決断は本当正しかったのか?」その時は、気にも留めない「些細な」ことでも、その決断が……。この映画を観て、そのことについてもう一度考えてみませんか?
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
今から50年程前、その頃の私は学校から帰ると、外画の吹替え作品を観まくっていました。この当時はどこの局でも、昼から映画三昧。良き時代でした。子供心に刺さったのは、ジェリー・ルイスの、「底抜け」シリーズです。笑いあり、涙あり。その中でも、戦後の日本が舞台の『底抜け慰問屋行ったり来たり』。タイトルはうろ覚えですが、ジェリーと、日本人の子どもとの交流が、印象に残っています。とても良い作品です! 機会がありましたら、是非みてください!!
 
 
石田圭祐さん(エミール・ランダウアー役)
──今回の新録版の見どころ
登山家のすさまじい体力や根性ももちろん見どころではありますが、本人たちの意向にかかわらず国家の威信を背負わされて競技をしなくてはならないアスリートたちの重圧というか悲劇について考えさせられる作品です。翻って、現代のオリンピックのあり方やジャーナリズムの扱い方についても考えさせられました。
 
 
小林優子さん(エリーザベト・ランダウアー役)
──今回の新録版の見どころ
過酷な山のシーンは、言うまでも無く見応えありです。あと、そこはかとなく、人種や民族の差別を感じさせる台詞があります。そのピリリとした緊張感や嫌悪感を吹替えで感じていただけると、より面白く見られると思います。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
・テレビ吹替え作品
海外ドラマは、長年携わらせていただいた「グレイズ・アナトミー」が、だんトツです。あと「24」も大好き!
・洋画作品
『アダムス・ファミリー』
 
 
浦山迅さん(ハンス・シュネルガー役)
──今回の新録版の見どころ
私の役は、当時登頂が禁じられていたアイガー北壁に挑んだ男の情熱と彼を慕う女性の心にほだされて、救助に向かう男ハンス。生と死の狭間で戦い、生き抜こうとする人々の姿は壮絶です。気がつけば声が枯れそうになるまで叫んでいました。是非ご覧ください。
 
 
関輝雄さん(フォン・アルメン役)
──今回の新録版の見どころ
やはり、なんと言っても見どころは、手持ちカメラで撮られたドキュメンタリー的リアリズムで迫る登山シーンです……。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
「女王ヴィクトリア」と「刑事ルーサー」です。
 
 
坂口候一さん(支配人役)
──今回の新録版の見どころ
今回のみどころは、やはり友情ではないでしょうか。友を生かすために自分を犠牲にする!! すごいですよね!! そんな友情が自分にもあるか? 問いかけてくる瞬間があります!!
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
ロビン・ウィリアムズ主演の『いまを生きる』です。子供の頃こんな先生に会いたかった!
 
 
佐々木啓夫さん(アドルフ役)
──今回の新録版の見どころ
登攀シーンの過酷さと、終盤の辛さと切なさです。特に雪の中で追い詰められていく人体の表現はとてもリアルで、北壁登攀の厳しさや雪山の怖さを感じました。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
ジム・キャリーの『マスク』です、内容も好きですが、山寺さんのお芝居の多彩さが面白くて、子供のころに何度も見ては妹と真似して遊んだりしてました。
 
 
魚建さん(シュピース役)
──今回の新録版の見どころ
ご時世がこのような状況で個別収録のため、共演者の皆さんの演技を目の当たりにすることが出来なかったので想像なんですが……東地さん演じるクールで男気のあるトニーと浪川さん演じる自由奔放なアンディとのある種凸凹コンビの絡みは楽しみですね。あと賢雄さん演じるアーラウはちょっと鼻につく嫌な感じの男なんですが、いつも優しい素敵な賢雄さんしか知らないので、こちらも楽しみです。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
ゲラゲラ笑ったのが広川太一郎さんの『Mr.Boo!』シリーズ、ワクワクしたのが石丸博也さんのジャッキー・チェンシリーズです。日本語吹替版の醍醐味を感じます。
 
 
白石兼斗さん(クリスティアン役)
──今回の新録版の見どころ
客観的に見る大自然の美しさと、勇猛に立ち向かう当事者の対比が見どころです。暴風にかき消される悲痛な叫びが、リアルでゾッとします。吹替版においても、徐々に疲弊していく息遣い等に注目してほしいです。
 
──思い出に残っている吹替え作品
自分が吹替え出演した作品で恐縮ですが、『MEG ザ・モンスター』が特に印象に残っています。いわゆる「鮫モノ」に携わることに憧れもあり、親族や友人からの反響もあったことが鮫肌が立つほど嬉しかったです。微力ではありますが、日本語吹替えって良いなと思っていただける方が少しでも多くなるよう精進いたします。
 
 
山岸治雄さん(ヘンツェ役)
──今回の新録版の見どころ
1936年、スイスの殺人壁と呼ばれる『アイガー北壁』初登頂に挑んだ若き登山家たちの実話を基にした物語。命がけで登る貧しい若者たちと、それを安全な場所から望遠鏡で高みの見物を決め込むセレブたち。順調に登り始めたかに見えた彼らだったが、その後想像を絶する状況へと追い込まれていく……。
『北壁』との戦いは、とにかく『壮絶』の一言です。トニーとアンディがアタックを開始してからは、もう全く目が離せません。無慈悲なまでの自然の猛威、死と隣り合わせの緊迫感、そして絶望感……。是非とも彼らの『挑戦』を見届けてください!
 
 
小若和郁那さん(トニーの祖母役)
──今回の新録版の見どころ
昨今は、なかなか新録版というものが作られない中、こうやって参加できて嬉しく思います。このご時世、全員で収録することも難しく、先輩たちのお芝居が間近で観られないことが悔しいですが、そんな中で迎えたこの作品「本気の掛け合い」、そしてドイツの名峰アイガー北壁の登頂を目指す一行の行く末にハラハラドキドキしてください!
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
子供の頃、家族でたくさんの吹き替え作品を観てきましたが、『ホーム・アローン』『ベートーベン』は何度も何度も家族で観ました(笑)
 
 
吉富英治さん(トニーの祖父役)
──今回の新録版の見どころ
生死をかけてアイガー北壁に挑むわけですが、見どころは下山のシーンですね。疲れ切った身体で厳寒の北壁を降り切れるかどうか? 最後には意外な展開が……。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
『大脱走』です。
 
 
内野孝聡さん(エルベルガー役)
──今回の新録版の見どころ
「アルプス最後の難所」の美しさと、それに登攀する男たちに牙をむく、全く別々の表情を静かに描いています。人間の不安な心理描写を、ハーケンを打つ音で表現している音楽にも注目してほしいです。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
子供の頃にテレビでみた『ロボコップ3』はいまでも見直します。
 
 
東内マリ子さん(パブ客女役)
──今回の新録版の見どころ
全編通して描かれる「山の恐ろしさ」が見どころです。そして最後まで見終えた時に、この作品が実話を基に制作された作品であるということを思い出していただくと感じるものがまたひとつ変わるかと思います。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
『アダムス・ファミリー』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。幼少期にこの2作品をテレビの吹替で見て、「このおじさんとドクが同じ声だ!」と驚き、声優という仕事を始めて認識しました。
 
 
堀総士郎さん(見物人男1役)
──今回の新録版の見どころ
この作品の舞台となる山は、北壁の名前の通りまさに「壁」です。天候の変化により登山家を取り巻く環境は常に変わります。山って生き物みたい……これを登るとは……おっかない。率直な感想です。実話を基にしたこの作品は、全く容赦なく展開していきます。普通のエンターテイメント作品にはなかなかない、リアルな感覚を味わえるはずです。
 
──思い出に残っているテレビ吹替え作品
『ゾンビ(サスペリア版)』
ジョージ・A・ロメロ監督のDawn of the Deadのテレビ編集版です。放送は1980年らしく存在だけ知っていたのですが、先日鑑賞できました。音楽がダリオ・アルジェント監督の映画『サスペリア』のものに差し替えられている他、テレビ用に吹替えの意訳が凄まじかったり、とにかく編集がすごい。今はこんな放送の仕方ありえない!ってくらい自由ですので、洋画放送の歴史という意味でも挙げたい作品だと思いました。もちろん、この映画そのものも大好きです!
 
 
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【担当ディレクターからのコメント】
 
神本忠弘ディレクター
10年程前に予告編のディレクターとして、この作品の劇場予告とTVスポットを作らせていただいたのですが、それが時を経て、吹替版ディレクターとして改めて向き合うことになるとは、何かすごい縁を感じます。非常にシビアな物語ですが、そのシリアスさの中に“希望”も存在します。多くの困難を乗り越えていく強い想いが描かれている作品だと思います。
東地さん、浪川さんには、主人公2人のイメージ通りに演じていただけたので、収録はまったく問題なく進みました。その掛け合い、熱演をぜひ堪能していただければ幸いです。
 
⇒主人公トニーとその相棒アンディを吹替えした、東地宏樹さんと浪川大輔さんの2ショットインタビューはこちらから
 


 
BSテレ東
シネマクラッシュ
2020年9月16日(水)夜7時55分~放送

アイガー北壁【新録吹き替え版】
⇒番組ホームページ
プロデューサー:久保一郎(⇒「ダークボのふきカエ偏愛録」#60 いま、テレビふきカエを作るということ
翻訳:尾山恵美
演出:神本忠弘
声の出演:東地宏樹、小林沙苗、浪川大輔、堀内賢雄、多田野曜平、鈴木琢磨、石田圭祐、小林優子、浦山迅、関輝雄、坂口候一、佐々木啓夫、魚建、白石兼斗、山岸治雄、小若和郁那、吉富英治、内野孝聡、東内マリ子、堀総士郎