- 2017.10.1
- コラム・キングダム
- ダークボの吹替え偏愛録
水曜日は映画の日!
この稿がアップされる頃には再放送も終わってると思うので、今さらですが…
ザ・シネマさんのスペシャル番組「ふきカエ ゴールデン・エイジ」。いやー、楽しかった!
「木曜洋画」他で何度もご一緒した(と言うか現在進行形でお仕事させて頂いています)6人衆、ささきいさおさん、玄田哲章さん、山路和弘さん、安原義人さん、磯部勉さん、そして江原正士さんの“あの頃”放談。ふきカエ業界を知らない人でも入りやすいトークに、やや上級者向けのトリビアをトッピングするフキダシ字幕がグッジョブ!
前後編、ニヤニヤしながら拝見しましたが、痛~い発言も。
山路和弘さん曰く、「ウィレム・デフォーは悪役だと俺なのに、いい人の時は森田順平に行く」 …これ、何を隠そう俺のせいです。
2003年に「木曜洋画」で放送した『プラトーン』。
地上波ではHD初放送、故あって放映権を6回も持ってたもので、この際、クリス(チャーリー・シーン)=堀内賢雄さんでふきカエ新録してしまおうと思い立ちました。
向山宏志ディレクターの当初の案は、バーンズ(トム・ベレンジャー)=森田順平さんで、エリアス(ウィレム・デフォー)=山路和弘さんでした。山路さんは他の作品でもデフォーをアテていたから、ということで。それを自分が、プロデューサーの強権発動で、逆にしてしまったのです。
当時、俺にはデフォーが山路さんの持ち役という認識がなく、俳優というよりキャラクター演出の点で、バーンズの凶暴さとエリアスの優しさを強調したくて、それぞれ前者には山路さん、後者に順平さんが適役だと思いました。結果、狙い通りには仕上がったんですが、改めて考えてみると、もったいないことをしてしまった気が…。
順平さんは冷酷な悪役声も素敵だし、何より山路さんは『ゴージャス』のトニー・レオン(オネエ役!)とか、とぼけた好人物キャラも絶品なのでした。一見コワモテのデフォーだからこそ、持ち役にしている山路さんが優しく演じた方が、エリアスというキャラを深くできたのではないかと。
だいいち俺自身、2000年末の「20世紀名作シネマ」で新録した『グラン・ブルー』で、山路さんがアテたダフィー(グリフィン・ダン)がお気に入りだったじゃないか。これもディレクターは向山宏志さんで、向山さんはわかってたんです。
以来ずっと心残りだったもので、山路さんがいまだに根に持ってると知って、泣きそうになりました。山路さん、ほんとすみません!
(ちなみに『グラン・ブルー』テレ東版はその後ほとんど放送されたことがなく、ノーカットで制作したにもかかわらずDVD等には収録されていません。ザ・シネマさん、発掘してください!)
ついでに懺悔します。やはり2002年に「木曜洋画」で新録した『ウォーターワールド』。
ケヴィン・コスナー=津嘉山正種さん、デニス・ホッパー=内海賢二さんほか豪華ふきカエ陣に加えて、当初は、映画の中盤に登場するある印象的なキャラクターの声を、安原義人さんにアテて頂く予定でした。
が、オリジナルは放送枠を拡大しても収まらない長尺だったため、このキャラクターの登場シーンをまるまるカットしてしまおうと… かくして、他の役を振ることもなく、安原さんのご出演はキャンセルになりました。
おそらくご本人も知らないことですが、謝っておきます。安原さん、すみません!
さて、あのゴールデン・エイジが夢だったかのごとく、地上波からはふきカエ洋画劇場が減る一方ですが、そんなご時世にBSジャパンは、映画枠が増えちゃいました!
キャッチコピーは〈水曜日は映画の日〉。
水曜夜(夕方)の5時58分からは、これまでもたまに「スパイ大作戦」を休止して、夜8時からの「シネマクラッシュ」と映画2本立てをお送りすることがありましたが、10月4日(水)からは、これが毎週レギュラーになります。
(「スパイ大作戦」は毎週月曜・火曜5時58分に引越して継続しますので、ご心配なく)
新しい映画枠はズバリ、題して「水曜映画館」。
続く「シネマクラッシュ」はこれまで通りで、レコードで言えば(昭和の表現)「シネクラ」が“A面”、「水曜映画館」が“B面”といった感じにはなりますが、B面らしくちょっと懐かしい作品、意外な作品が続々登場しますよ。ちなみに10月のラインアップは、
4日(水) 5:58~『ダンテズ・ピーク』 7:55~『龍三と七人の子分たち』(邦画です)
11日(水) 5:58~『ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝』 8:00~『今そこにある危機』
18日(水) 5:58~『ソーラー・ストライク2013』 8:00~『スペース カウボーイ』
25日(水) 5:58~『HIGHJACK ハイジャック』 8:00~『ブルーサンダー』
…こんな感じです。もちろん、洋画はすべてふきカエ(二か国語)でお送りします!
そうそう、安原義人さんが出ていない(汗)『ウォーターワールド』テレ東版は、“A面”で近日放送予定です。どうぞお楽しみに。
ザ・シネマさんをはじめ、地上波ふきカエのゴールデン・エイジにオマージュを捧げる企画を連発されるチャンネルには感謝感激雨あられ(昭和の表現)ですが、わがBSジャパンは、ゴールデン・エイジを引きずった映画編成を続ける、生きた化石のようなテレビ局です。これからもどうぞご贔屓に。
[作品画像はAmazon.co.jpより]
※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合や既に廃盤となっている場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。