- 2016.2.1
- コラム・キングダム
- ダークボの吹替え偏愛録
新年のモヤモヤ
2016年最初の更新ということで、今回は一応、とっておきの情報(番宣ですが)を高らかにお知らせする稿であります。ただ、どうもモヤモヤすることばかりなんですわー、これが。
[モヤモヤその1]
前回のラストで思わせぶりなことを書きましたが、喉元まで出かかってたのは、
BSジャパン〈007連続放送〉続行決定! …でした。
昨年9月、何とも不完全燃焼で終了してしまったので、あきらめ切れずに交渉を続けた結果、遂にピアース・ブロスナンの最終作『007/ダイ・アナザー・デイ』の放送が実現。さらに、ダニエル・クレイグの『007/カジノ・ロワイヤル』&『007/慰めの報酬』までお送りします!
6代目ボンドのシリーズは、結果的に、公開中の『007 スペクター』までで4部作の体なので、またしてもハンパな感じになっちゃいますが……こんだけやればもう充分でしょ?
(ちなみに『007/スカイフォール』も、昨年末の日テレさんに続いて、近々某局で放送されるようです。局の壁を越えた連続放送!)
ここで「ふきカエル」の読者なら、疑問に思うはず……『慰めの報酬』のふきカエはどうなるのか?
地上波で最初に吹替え版を放送したTBSさんがソフト版(ボンド=小杉十郎太さん)を転用されたため、キングレコードさんが制作を敢行された「TV放送吹替キャスト・新録版」(ボンド=藤真秀さん)は、ファンには涙ものの太っ腹企画でした。
でもキングレコード版は、あくまでDVDオリジナル。かと言って、〈007連続放送〉の番宣CMナレーションをずっと藤真秀さんにお願いしてきた(気がついてました?)BSジャパンとしては、(小杉ボンドも素敵なのですが)やはり藤ボンドで放送したい。
そこで……新録します!
盛り上がる話のはずなのに、モヤモヤするのは……アフレコはまだまだ先の予定で、これを書いている時点では、藤真秀さん以外、まだキャスティングも決定していないからです。
でも、テレビふきカエらしい布陣にしますからね。もちろん前後の作品も踏まえつつ。
〈007連続放送〉のラストを飾る『慰めの報酬』新録版は、3月放送予定。どうぞお楽しみに!(俺も楽しみだ!)
[モヤモヤその2]
うれしいような、悲しいような話をひとつ。
2月12日(金)夜5時58分からBSジャパンで放送予定の、チャールズ・ブロンソンの『スーパー・マグナム』は、まさかの新録版!
でも、ブロンソンのふきカエと言えば大塚周夫さん……周夫さんは昨年お亡くなりに……そう、今回のブロンソンは、磯部勉さんです。
『スーパー・マグナム』はかつて「日曜洋画」で放送され(もちろんブロンソンは大塚周夫さん)、高視聴率を記録した人気番組なのに、どういうわけか、放送用のふきカエ素材は消失してしまったようで(私的録画を保存している視聴者はいるでしょうが)。やむなく配給のブロードメディア・スタジオさんが、テレビ局への販売用に自前で新録を決行されたのが、今回お送りするバージョンなのです。
ウチが初放送ですから、もうウィキペディアなどには「BSジャパン版」と書かれてるみたいですが、そう呼ばれるのはどうも面はゆく…強いて言えば「ブロードメディア・スタジオ版」でしょうか。
以前、地上波ローカル局とBSジャパンで放送した『ビッグ・ガン』(アラン・ドロン=山寺宏一さん)も、言わば「ニュージャパンフィルム版」でした。これらは、テレビ局がめっきり制作しなくなったために登場した、ふきカエのニュータイプ。
常々語ってますが、本来テレビふきカエというのは、単なる日本語化ではなく、「番組化」のための演出を加えたものです。然るに配給会社オリジナルのふきカエは、テレビ放送用と言っても、ソフト版に近いものですね。もっとも『スーパー・マグナム』の場合は「日曜洋画」版の台本を流用されてるので、テレビ版とソフト版のハイブリッドってとこでしょうか。
いろんなバージョンが生まれるのは楽しいけど、やっぱ寂しいなあ……というモヤモヤでした。
ともあれ、『スーパー・マグナム』ハイブリッド版、どんな感じかご覧くださいませ!
[作品画像はAmazon.co.jpより]
※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合や既に廃盤となっている場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。