- 2021.12.17
- インフォ・キングダム
【12/24:コメント追加】「映画は死なない」との熱き思いから「BS10 スターチャンネル」にて2021年12月から放送中の、4か月連続長期特集『映画は死なず!「激レア地上波吹替版」を観る。掘る。もっと。』にて放送される作品にご出演の声優の皆様から、貴重なコメントをお寄せいただきました!
収録当時のお話しや、吹替え作品の楽しみ方まで!
作品とあわせて、コメントもお楽しみください!
出演声優コメント(※放送予定順)
①:作品について
②:収録当時について
③:吹替え版の楽しみ方
岡本麻弥さん(ご出演作品:『エマニエル夫人[テレビ東京「木曜洋画劇場」版]』)
①:
私がリハーサルの為に初めて「エマニエル夫人」という作品を観た時に一番ビックリしたのは、エマニエルのその可愛らしさでした。
当時、男性の憧れ的な〝籐の椅子に座ったセクシーなお姉さん〟という印象を持っていたエマニエルが、とてもピュアであどけなさすら残る可愛らしいお嬢さんだったこと、赤いキャップを被ってキュートな表情を見せるシーンなどは私にはちょっとした衝撃でした!
そしてもう一つ。
実は、家でのリハーサルではセクシーなシーンの息遣いも一生懸命練習していったのですが、当日現場で「ゴールデンタイムなのでセクシーなシーンは全て音楽処理です」と言われ、その声を聞いて使用人が……というシーンでのきっかけの一声だけになってしまったという、本人的にはちょっと拍子抜けしてしまった思い出が。
セクシーな息遣いはそこだけですのでお見逃しなく(笑)
②:
「エマニエル夫人」の仕事が決まってから、どう噂が広まったのか色々な現場で(特にお兄さん・おじさま声優さん達に)「麻弥がエマニエル演るのか?〝坊や〟の方の間違いでなく?」と何度も冷やかされたのを覚えております。私自身がまだ少女っぽさが抜けていなかったのでしょう。
当日現場でも、「麻弥がエマニエルとはねぇ?? いや、楽しみ、楽しみ」とエール(なのか心配の声なのか)を先輩達に頂きました。
帰りに寄った飲み屋さんでの会話を今でも幾つか鮮明に覚えているくらい、楽しく充実した一日でした!
③:
好みは様々あるのでしょうが、吹替え版は言語の壁をポンと飛び越えて、スッと物語世界そのものの中に入って物語に集中出来るというメリットがあると思います。
字幕では追いきれない、会話の中心以外の周りの小さな言葉も拾ってくれますし。
私としてはアフレコに臨む時はいつも、向こうの役者さんの表現したいモノ、生理状態などもなるべくシンクロさせて表現しようと心掛けています。
エマニエルに関しては、最初の〝甘さ〟から徐々に〝真の女〟として目覚め芯が通ってゆく辺りの声の変化に注目して楽しんで頂ければ嬉しいです!
官能的な名作「エマニエル夫人」を、どうぞたっぷりお楽しみくださいませ。
ありがとうございました!
12/18(土)深夜1:40~、30(木)夜11:20~
『エマニエル夫人[テレビ東京「木曜洋画劇場」版]』
声の出演:岡本麻弥、佐々木勝彦、伊藤美紀、一柳みる、小川真司
【ソフト未収録】
小原乃梨子さん(ご出演作品:『続エマニエル夫人[テレビ東京「火曜映画劇場」版]』)
③:
吹き替えに関しては、いつの録音と言う事は気にせず、常に映画本編と共に楽しんで貰えたらと思います。
また、共演者の方々との演技と共に、末永く視聴して戴ければ幸いです。
羽佐間道夫さん(ご出演作品:『続エマニエル夫人[テレビ東京「火曜映画劇場」版]』『さよならエマニエル夫人[テレビ東京「木曜洋画劇場」版]』)
①②:
この当時、吹き替えのリハーサルは 前日に出演者全員が集まって映画のような画面を見ながらリハをしていました。
試写が終わった後、心なしかそれぞれ顔がほてっていたような気がします。ソフトポルノ、いやハードポルノのせいでしょうか、誰かが「声優でよかった、実写だったら全員失格だな」等と興奮気味に甲高い声で言っていたのを記憶しています。
この映画、タイが主なロケ地の筈ですが、その後バリ島に個人で旅行した時、民族音楽ケチャを目の当たりにして、感動しましたが「エマニエルはインドネシアが舞台だったのか! 西洋人は東洋の文化を一括りにしている」と 何やら憤慨したのですが これ私の記憶違いですかねー(笑) マー45年も前の事ですからお許しください。
しかし、実に美しい映画で、メルヘン・アングルの代表でした。
12/19(日)深夜12:40~、30(木)深夜12:50~
『続エマニエル夫人[テレビ東京「火曜映画劇場」版]』
声の出演:小原乃梨子、羽佐間道夫、藤田淑子、鷲尾真知子、井上真樹夫
【ソフト未収録】
12/20(月)深夜12:50~、30(木)深夜2:30~
『さよならエマニエル夫人[テレビ東京「木曜洋画劇場」版]』
声の出演:上田みゆき、羽佐間道夫、翆準子、納谷六朗、宮川洋一
【ソフト未収録】
松橋登さん(ご出演作品:『ラストエンペラー[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』)
①②:
1987年度のアカデミー賞、作品賞はじめ9部門で受賞したこの作品の吹き替え作業に、敬意をもって携わろうと決意しました。
現役の皇帝である時代と、革命により独り歩きを余儀なくされ、それも罪を背負った囚人として5年間にわたるソビエト連邦での抑留と中国人戦犯として更正の日々。
皇帝であった自分と戦犯である自分…..この対極的なふたつの面の葛藤を通して、一見自然に見えるその奥にある溥儀の自己崩壊の姿がかいまみえて、なんとも辛いおもいでした。
映画は溥儀の回想として、囚人でありまたそれを乗り切った?人間としての図り知れない複雑さをみせてくれた。だから、華やかに暮らした皇帝時代より、自己改革をしている溥儀の佇まい、言葉に胸を打たれました。
皇帝時代と、戦犯時代は二日に分けて、収録しました。
家庭教師と出会った時、別れ際での固い握手、最後のコオロギの場面は印象的です。
12/24(金)夜6:50~、27(月)夜11時~、2022/1/1(土・祝)朝9:10~、11(火)午後3時~、18(火)深夜3:20~
『ラストエンペラー[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』
声の出演:松橋登、井上孝雄、池田勝
江原正士さん(ご出演作品:『ゴースト/ニューヨークの幻[フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」版]』)
①:
僕はパトリック・スウェイジ演じるサムを、ソフト版とフジテレビのゴールデン洋画版の吹き替えで 二回演じさせて頂きました。
映画それ自体とサム役の僕は同じでしたが、デミ・ムーアのモリーが高島雅羅さんと金野恵子さん、そしてウーピー・ゴールドバーグが小宮和枝さんと今井和子さんと、そして敵役と言うか、要の役どころのカールを大塚芳忠氏と鈴置洋孝氏という、豪華な2チームの吹き替えで、さらに翻訳者も島伸三さんと西森マリーさんの二つの翻訳台本がありました。
ソフト版を吹き替えた時に、それなりに役者仲間とのセリフのやりとりは頑張ったつもりでいましたが、テレビ版の吹き替え収録時に芝居の相手が変わったら、同じ映画なのに全く別の言語宇宙と遭遇したような、そんな不思議な感覚を味わいました。ですから印象的なシーンという感覚ではなく、このシーンは“こんな感じにもなるんだ、このように感ずることもできるんだ”などなど、自分的にはもう一人のサムを演じたような、そんな記憶が残っています。
②:
サムが自分の霊的存在をモリーに知ってもらおうとコインを使うシーンがあるんですが、映像としては台詞はなく、音楽が盛り上げていくところで、サムやモリーの息が入っているわけでもないのに、妙に体に力が入って、無意識の内に荒い息をしてる自分がいるわけです。
そんな時は、「待て待て落ち着け、ここは息はいらない、次の台詞からだって」もう一人の自分が、演じ手の自分を落ち着かせるんです。
こんな時に想い出すのが、先人の訓“醒めて踊れ”。このようなことが思い出を通り越して幾度かありました。
③:
吹き替え版って、外国人が外国語を喋ってる映画を日本語に置き換えるわけで、生身の人間が、息をして喋る状況を、違和感なく伝えるのは大変です。
物心ついた頃に、テレビで諸先輩の吹き替え洋画を観た時、この外人さんは何て日本語が上手なんだと子供心に感じたものです、そのくらい違和感を感じませんでした。
吹き替え版を観る時には是非、まるで日本人のように違和感なく喋ってる洋画、この『ゴースト/ニューヨークの幻』をお楽しみ頂きたいと思います!
堀内賢雄さん(ご出演作品:『ゴースト/ニューヨークの幻[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』)
①:
見て頂きたいシーンは沢山あるのですが、強いてあげるとするなら、やはり私が演じた主人公サムが、天国に召される僅かな時間の中で、恋人モリーを危険から守り抜くシーンです。
生存している時、未練を残して亡くなってからの演技、そして、ラストシーンの永遠の別れのシーン。
まさに吹き替えの醍醐味で、気持ちがはいりました。
②:
この頃はまさに洋画全盛期。
しかも日曜洋画劇場は声優冥利に尽きるステイタスです。
緊張して、咽喉がカラカラになり、
口も回らなくなるし、声も上ずりました。
そんなドキドキが思い出されます。
③:
吹き替えブーム真っ只中でとても充実した時期でした。
原音やセリフ尺にとらわれず、気持ちを伝えることが優先された時代でした。
皆で作品を作りあげ、打ち上げでも作品や芝居の話で盛り上がりました。
『ゴースト』はその頃の作品です。
全ての役者の個性に耳をかたむけながらご覧ください。
片岡富枝さん(ご出演作品:『ゴースト/ニューヨークの幻[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』)
①:
どのシーンも演じ甲斐が有り大好きですが、オダ・メイ登場の霊媒宿のシーンはウーピーの演技が素晴らしく、ああ言えばこう言う詐欺師特有のセリフ展開は圧巻!
ぜひこのシーンをじっくり観て頂けたら幸いです。
②:
光栄にもソフト版・他局版・テレ朝版の3本全ての収録に出演。
ソフト版から約10年、日曜洋画劇場の3本目にして夢にまでみた念願のオダ・メイ役を!
プロデューサー松田佐栄子氏・ディレクター木村絵理子氏・翻訳荒木小織氏の女性陣に堀内賢雄氏はじめ気心知れた大好きな役者さんたち!
マイク前の皆さんの立ち姿やお席の並び、東北新社・薬研坂(やげんざか)の昔の広いスタジオでの明るく楽しい現場、福開きでの打上げ等々、ハッキリ覚えてます。吹き替え人生の中で忘れられない作品となりました。
③:
字幕より圧倒的に情報量が多い吹き替え版です。画面の中に時代や背景やヒントが沢山有ります。
先輩たちに絵をよく見ろ!と教わりました。そう吹き替え作品はドラマが俄然、深く楽しい物となります。
1/1(土・祝)夕方5:20~、15(土)夜11:15~
『ゴースト/ニューヨークの幻[フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」版]』
声の出演:江原正士、金野恵子、今井和子、鈴置洋孝、福田信昭
【ソフト未収録】
1/3(月)夜6:50~、10(月)夜11時~
『ゴースト/ニューヨークの幻[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』
声の出演:堀内賢雄、松井菜桜子、片岡富枝、家中宏、西凜太朗
【ソフト未収録】
羽佐間道夫さん(ご出演作品:『それ行けスマート/0086笑いの番号[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』)
①:
吹き替えのキャストが超豪華です。これを見ただけで録画するべきだと思います。
このメンバーが喋ったら、それだけで直ぐ笑いが見えてきます、必見の映画!このうち4名は既に天空に去っています。アーカイブとしても貴重な作品です。
当時出演者全員スリムでしたが、現在は殆どが体重計に乗るのを嫌がります。『それ行けスマート』ではなく『それ行けるか!?ヘビー』と題名を変えるべきです(笑)
1/2(日)午後3:50~、12(水)夜11時~、15(土)朝6:10~
『それ行けスマート/0086笑いの番号[テレビ朝日「日曜洋画劇場」版]』
声の出演:小松政夫、小宮和枝、沢田敏子、富田耕生、戸田恵子、青野武、羽佐間道夫、池田勝、納谷六朗、松岡文雄、三ツ矢雄二
【ソフト未収録】
特集<映画は死なず!「激レア地上波吹替版」を観る。掘る。もっと。>
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『エマニエル夫人』© 1974 STUDIOCANAL/『続エマニエル夫人』© 1975 STUDIOCANAL/『さよならエマニエル夫人』© 1977 STUDIOCANAL/『ラストエンペラー』© Recorded Picture Company/『それ行けスマート/0086笑いの番号』© 1980 Universal City Studios LLC. All Rights Reserved./『ゴースト/ニューヨークの幻』TM & Copyright © 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.