吉田Pのオススメふきカエル

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『“破壊神ゴジラ”vs“守護神コング” 頂上対決への軌跡』

ワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズ、東宝が提携して展開してきた“モンスター・ヴァース”シリーズ。その過程で怪獣界の王として君臨してきたゴジラと、髑髏島の神として恐れられてきたキングコングが、シリーズ4作目にしてついに激突します。地球最大の決戦を制し、真の怪獣王となるのはゴジラか、コングか。今年度最大の超大作『ゴジラvsコング』の公開を前に、まずはこれまでの両者の歩みを振り返ってみようと思います。

『GODZILLA ゴジラ』(2014)
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監督:ギャレス・エドワーズ
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン 渡辺謙

1999年、日本。原子力発電所で働くジョーは、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラを亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォードは、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする…。
(画像はAmazonより)

  

“モンスター・ヴァース”の記念すべき第一作。オリジナル版のゴジラに最大限のリスペクトを払って造形された“GODZILLA”の雄姿は、小うるさい(笑)日本の怪獣ファンたちをも感嘆させました。「ゴジラは核実験の申し子である」という過去の呪縛を断ち切り、新たな視点から怪獣王の誕生を描いた本作で、我らが怪獣王は次なるステージへと踏み出したのです。まあ、その辺のドラマを掘り下げたが故に全体から見たらゴジラの出番が少ない(実は画面にゴジラが映ってるのは10分もないんですよ)という不満もあるにはあるんですが、新たな歴史の第一歩としてはそれもまた一興。お楽しみはこれからだ、と期待を抱かせてくれたのです。
 

『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)
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監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン サミュエル・L・ジャクソン

コンラッド(トム・ヒドルストン)率いる調査遠征隊が、未知の生物を探すべく、神話上の存在とされてきた謎の島に潜入する。しかし、その島は人間が足を踏み入れるべきではない“髑髏島”だった。島には骸骨が散乱しており、さらに岩壁には巨大な手の形をした血の跡を目撃する。そして彼らの前に、神なる存在であるキングコングが出現。人間は、凶暴なキングコングに立ち向かうすべがなく……。
(画像はAmazonより)

  

一方、キングコングがモンスター・ヴァースに参戦したのはその3年後。こちらはゴジラと違い、純アメリカ産のクラシック・モンスターです。1933年のウィリス・オブライエン版、76年のジョン・ギラーミン版、2005年のピーター・ジャクソン版に続き、(派生作品を除けば)4度目の映画化。これまでのコングが「人間の美女に恋をして悲しい結末を迎える悲劇の怪物」であったのとはがらりと趣を変え、髑髏島に君臨する“神”として登場しました。まあどっちかというと対決する人間側のサミュエル・L・ジャクソンのほうがモンスターでしたな(笑)。監督は新鋭、ジョーダン・ヴォート・ロバーツ。本邦では無名でしたが、「日本のアニメのファンで『機動戦士ガンダム0083』がベストムービー」というのを聞いて「ああ、この人は信頼できる」と思った私の直観に間違いはありませんでしたw
 

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)
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監督:マイケル・ドハティ
出演:カイル・チャンドラー 渡辺謙

神話の時代に生息していた怪獣のモスラ、ラドン、キングギドラが復活する。彼らとゴジラとの戦いを食い止め世界の破滅を防ごうと、生物学者の芹沢(渡辺謙)やヴィヴィアン(サリー・ホーキンス)、考古人類学者のアイリーン(チャン・ツィイー)らが所属する、未確認生物特務機関モナークが動き出す。
(画像はAmazonより)

  
 

さて、お話しは再びゴジラに戻り、今度はハリウッド版『三大怪獣 地球最大の決戦』。前作でお披露目が済んだ以上出し惜しみはしませんぜ、とばかりにゴジラはもちろんモスラにラドンにキングギドラ、加えて見ず知らずの新怪獣までもう出るわ出るわ。自らもゴジラオタクであるマイケル・ドハティ監督の「ほら、こういうの観たかったでしょ?」というサービス精神あふれる演出はファンを熱狂させました。加えてベア・マクレアリーの音楽も伊福部サウンドを完コピする勢いでのリスペクトっぷりで、終盤の最終決戦にゴジラが登場するシーンであのテーマ曲が高らかに鳴り響いたときは、ゴジラと共に歩んできた自らの映画人生が走馬灯のように脳内を駆け巡り、思わず涙があふれてしまいました。
 

『ゴジラvsコング』(2021)ゴジラvsコング監督:アダム・ウィンガード
出演:ミリー・ボビー・ブラウン 小栗旬

©2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

そんな至福の体験から2年を経て、両雄はついに対決の時を迎えます。あれー、でもちょっと待って。ゴジラってなんだかんだ言って人間の敵ではなかったよね?まあ別に味方ってわけでもないけど、少なくとも悪意を持って人間社会を破壊するようなキャラではなかったはず。でも予告を見る限り、コングのほうは人間の少女と心を通わせるシーンがあったりして、どうもこっちがイイモンっぽい。じゃあ今回のゴジラはワルモンなの?つか、街を破壊してるシーンでチラッと映ったの、あれホントにゴジラ?小栗旬の背後のスクリーンに映ってたのだって、もしかして○○○○○じゃないか?…等々、例によって妄想が膨らむ膨らむ。世界的なコロナ禍で延びに延びていた公開もやっと5/14に決まり、本当なら今頃はもう5、6回はリピートしていて然るべきなのですが…まさかの緊急事態宣言延長。5月末の時点で日本での公開日は未定となってしまいました。うそーん、まだ観られないのって日本だけじゃん!どうなってんの!とファンの悲痛な叫びが日本中で渦巻いているわけですが、こればかりは仕方ない。コロナが収束して、両雄の対決をスクリーンで観られる日が一日も早く来ることを祈るばかりです。
日本語吹替版のキャストはこちら
 

『キングコング対ゴジラ 4Kリマスター Blu-ray』
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まあこれでも観ながら気長に待ちましょう。
(画像はAmazonより)

  
 
  
 
  
 
  
 

⇒『GODZILLA ゴジラ』のふきカエ情報
⇒『キングコング:髑髏島の巨神』のふきカエ情報
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⇒『ゴジラvsコング』のふきカエ情報