- 2015.8.1
- コラム・キングダム
- ダークボの吹替え偏愛録
T-800とモビー・ディック
この夏は、MADなヤツが奇跡の復活を果たしたと思ったら、ヒーロー軍団は数がどんどん増えるし、前州知事は空飛んだり年取ったりの大活躍、白い歯のスパイは何でも自分でやらないと気が済まず、恐竜は人もジョーズも食いまくり。秋には下品なクマが、冬には女王陛下のスパイと、はるか昔の銀河の皆さんも帰ってくるようで・・・いったい何なんだ2015年!
そんなわっかりやすーい連中の1本、公開中の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』に合わせて、シリーズの原点『ターミネーター』のブルーレイが、豪華仕様で新起動しました。
今回は〈吹替の帝王〉レーベルということで、ふきカエが4種類も入ってる! その1つとして初収録されたのが、かつてこのコラムでも紹介した、わがテレ東「木曜洋画劇場」版であります。
まあテレビ版としては、最初の「日曜洋画」版があまりにも名作ですから、「木曜洋画」に降臨した時は、もう新録したこと自体さんざん叩かれましたが・・・なかなかどうして、“本人公認”シュワの玄田哲章さんはもちろん、小山力也さん&松本梨香さんも素晴らしかったですよ。今や故人となってしまった内海賢二さん、檀臣幸さんの声も聴けるし(涙)
それに「木曜洋画」版は、悪のヒーロー・旧型ターミネーターを「T-800」と呼んだ唯一のふきカエなのです(オリジナルは「101」)。〈吹替の帝王〉ブルーレイには、日曜洋画版と木曜洋画版の台本の縮刷版が封入されてますから、本編と併せて読み比べてみてください。
さて、BSジャパン「シネマクラッシュ金曜名画座」(通称シネクラ)は、〈007連続放送〉がいよいよ大詰め。8月からは5代目ボンド、ピアース・ブロスナン編に突入します。ブロスナンの声は、田中秀幸さん。『ターミネーター』日曜洋画版のマイケル・ビーンと並ぶ、持ち役の一つですね。
8月は007以外に、注目して頂きたい作品があります。
28日(金)夜8時~放送予定の『白鯨』・・・ご存知、ハーマン・メルヴィルの古典的小説をジョン・ヒューストン監督が映画化した、1956年製作の名画です。
白鯨モビー・ディックを追い続けるエイハブ船長、グレゴリー・ペックのふきカエは、もちろん城達也さん。このふきカエを作ったTBSの「名作洋画ノーカット10週」は深夜番組でしたが、あれから約30年、ゴールデンタイムで放送されたことってあったかな?
少なくともHD映像×ふきカエは今回が初めてです。貴重なオンエア、どうぞお見逃しなく!
ちなみに原作の「白鯨」は、細田守監督のアニメ映画『バケモノの子』(公開中)で、重要なキーワードの一つとして登場します。
夏休みの宿題の読書感想文がまだ書けてないキミたち! 28日(金)の「シネクラ」を観て、週末に頑張れば間に合うよ!
[作品画像はAmazon.co.jpより]