吉田Pのオススメふきカエル

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『Welcome to Jurassic Park!』

…と、パークの創設者であるジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)が宣言したのは1993年。鳴り物入りでオープンするはずの「ジュラシック・パーク」がその後どんな命運をたどったかは世界中の知るところなわけですが、いったんは破綻したかに見えたパーク建設計画は水面下で着々と進んでいたのです。だって、本物の生きてる恐竜、みんな見たいでしょ?

『ジュラシック・ワールド』

おすすめふきカエル
© Universal Pictures and Amblin Entertainment
8/5(水)より全国にて3D/2D公開
監督:コリン・トレヴォロウ
出演:クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード
配給:東宝東和
公式サイト: www.jurassicworld.jp

「ジュラシック・パーク」の事件から22年後。島は巨大企業に買収され、「ジュラシック・ワールド」と名前を変えて遂にオープン。世界中からの旅行者でにぎわう人気の観光施設として成功している。しかしパークの運営責任者であるクレアは更なる集客のため、目玉となる新種の恐竜を投入する計画を進めていた。遺伝子操作によって生み出される初のハイブリッド恐竜の名前はインドミナス・レックス。しかしパークでヴェロキラプトルの調教を担当するオーウェンは、新種の恐竜を人間が安全に管理できるのか、懸念を抱いていた。オーウェンの不安をよそに計画は進み、遂にインドミナス・レックスは誕生するのだが…

 
マイケル・クライトンによる原作「ジュラシック・パーク」が出版されたのは1990年。“理科系エンタテインメント”で知られるクライトンらしく、原作には恐竜再生の鍵となる遺伝子技術に始まりカオス理論からフラクタル曲線まで、化学と数学の定理が緻密に描写されていました。まあその筋の専門家に言わせれば突っ込みどころは満載だそうですが、高校時代に理系の科目はずーっと赤点だった自分のような文系の本好きにとっては「こんな難しい事が書いてあるのにむちゃくちゃ面白い!」と興奮しながら一気に読んだ記憶があります。
当然、出版前から映画化は決まっていたらしく、原作の帯に既に「スピルバーグ映画化!」のキャッチコピーが。マイケル・クライトンの小説をスピルバーグが映画化となれば期待するなという方が無理なわけですが、実は一抹の不安もあったのです。前述のカオス理論やらフラクタル曲線やらの件、文字で読むならまだしもあれを映像で説明できるの?まさか延々と長台詞で?いやスピルバーグでそりゃないっしょ、等々。

しかしさすがは天才児スピルバーグ。公開された映画版『ジュラシック・パーク』は、そういった難しい理論はちょっと触れる程度に留めて(というかすっ飛ばして)、とにかく「生きた恐竜がスクリーン狭しと暴れまわる壮大なアクション・アドベンチャー」に仕上がっていたのです。そしてこれは大正解。ジョン・ウィリアムズの壮大な(と言うかいささか脳天気な)スコアに乗って展開する、恐竜と人間の追いかけっこ(まあ命がけですけど)は、原作の持つペシミスティックな不安感とは対極に振りきれた一大スペクタクルとして、映画史に残るエピックとなったのでした。

『ジュラシック~』シリーズで上手いなあと思ったのは、数ある恐竜の中からヴェロキラプトルをメインに据えたこと。もちろんラスボスとしてはご存知Tレックスがいるわけですが、なんつうか奴の場合はビジュアルがメジャーすぎて、人間と対峙した時の絵柄にどうしても既視感があるんですよねえ。加えてあの大きさの生物が動くのをスクリーン上でリアルに見せるには、それなりの重量感を出すためにどうしてもある程度は動きが緩慢にならざるを得ない(ゴジラがいい例)のに対し、ラプトルは人間とほぼ同じ大きさなので、アクションシーンの演出として素早く動かせるわけです。実は「自分よりデカいものを見上げる」より「自分と同じぐらいのやつが猛スピードで追っかけてくる」ほうがリアルに怖いのだ、と観客に思わせた点で、本作はこれまでの恐竜映画のセオリーを覆したのでした。

その後97年の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、2001年の『ジュラシック・パークⅢ』とシリーズは続き、本作『ジュラシック・ワールド』で、恐竜たちのテーマパークは遂にオープンを迎えます。ハイそこ「まだ出来てなかったのかよ!」とか言わない。
今まで散々すったもんだした後ですから、人間側も今度こそ万全の体制をとっていると思いきや…あらーやっぱしー、という具合に管理システムはどんどん破綻していき、島はまたもや阿鼻叫喚の狩猟場に。おまけにこれまでと違って今回パークは開園中、場内には観光客が二万人。さあどうする?

今回劇場公開される日本語吹替え版では、主役の調教師を演じるクリス・プラットとパークの運営責任者であるブライス・ダラス・ハワードに、それぞれ玉木宏と木村佳乃という豪華な顔ぶれが起用されました。さらに個人的なイチオシは、パークを訪れる少年役で、GMTのリーダーにして埼玉代表ネギ娘、入間しおりこと松岡茉優ちゃんが参加していること。すいません個人的にファンなんで呼称のちゃん付けお許し下さい。
(日本語吹替え版のスタッフ・キャストはこちら)

「女優が少年の声を演じる」というのは実は過去に成功例が多々ありまして、『ブレイブ・ストーリー』の松たか子、『レーシング・ストライプス』の田中麗奈、最近では『バケモノの子』の宮崎あおいなど、いずれも名演でした。吹替えで重要なのは反射神経とよく言われますが、茉優ちゃんの勘の良さはあの山寺宏一氏のお墨付き(彼女、元おはガールなんですよね)とくれば、これはファンならずとも期待できそうです。必見。

【ジュラシックパーク・オフィシャルTシャツ】メンズBlack
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自分は一作目公開時に買ったこのTシャツ着て行きます。何つう物持ちの良さ。
[画像はAmazon.co.jpより]