ダークボのふきカエ偏愛録

#72 呪われた映画

ビビった。
7月24日(日)のBSテレ東「シネマクラッシュ」、『ダンテズ・ピーク』の放送中に、「桜島に噴火警報」のピンポンニュースが! これを書いている時点では人的被害は出てないものの(出ませんように…)、レベル5(避難)の警戒態勢が続いている。(※現在はレベル3:2022年8月1日時点)
BSテレ東は全国放送だから、鹿児島で番組を観ていた人は驚いただろうなあ。それとも火山の映画なんか端から観たくないかな。

そもそも『ダンテズ・ピーク』は、テレ朝「日曜洋画」でふきカエを制作、2000年に放送される予定だったのが、折しも有珠山の噴火があって、放送が3年も延期されたいわくつきの作品。
その後、「木曜洋画」や「午後ロード」でも、ラインアップする度に何かが起こって度々延期。実は今回も、もともと春頃に放送予定だったのに、3月に震度6強の「福島県沖地震」が発生したため、ここまで延びたんです。これからいよいよ災害シーズン本番だから、無事放送されるよう祈りつつラインアップしたら、ど真ん中の噴火が来ちゃった。放送は何とか終わったけどね。まさに呪われた映画としか言いようがない。

ダークボのふきカエ偏愛録ふと思い出したのが、2007年にテレビ東京で放送された『アンナと王様』。
ご存知、『王様と私』の原作「アンナとシャム王」を、ミュージカル抜きのドラマとして再映画化した作品だけど、かなりの大作なのになぜか未放送だったのを発掘して、地上波初放送を企画したのが確か2005年。ふきカエ新録もスタートしたが、キャスティングが難航してモヤモヤしてたら、局の編成の都合で放送枠自体がキャンセルになってしまった。
ふきカエ制作を一旦バラした後、今度は俺が異動で、映画の仕事を離れちゃってね。それから2年、後任のプロデューサーチームが放送にこぎつけてくれて、ふきカエ新録も敢行。仕切り直したキャスティングには、思わず膝を叩きました。
ジョディ・フォスターのアンナはもちろん、かつて『コンタクト』でもお世話になった戸田恵子さん。そしてチョウ・ユンファの王様は、田中秀幸さん! これは思い付かなかった。香港ノワールなど“亜州影帝”の彼にはかつて無かったキャスティングだけど、このハリウッド映画のノーブルな王様には、田中さんのジェントルな声がピッタリでね。
視聴者としてオンエアを楽しみにしてたら、当日朝に「能登半島地震」ですよ。震度6強。ブレないテレ東は放送を中止しなかったけど、全編「L字画面」の初放送になってしまった。

前回の コラム の通り、俺は『ダンテズ・ピーク』のふきカエはテレ朝版推しなので、今回もピアース・ブロスナンは田中秀幸さんでした。
『アンナと王様』を思い出したのは、そういうわけです。つくづくついてないなあ。ひょっとして昔「木曜洋画」で、『ターミネーター』(テレ朝版のマイケル・ビーンとリンダ・ハミルトンは奇しくも田中秀幸さんと戸田恵子さん)をキャスト一新で新録した報いか?

ダークボのふきカエ偏愛録2003年に『ターミネーター』を新録したのは、地上デジタル放送用のバージョンが必要になったのと、玄田哲章さんのシュワでテレビふきカエを作りたかったからです(テレ朝版のシュワは大友龍三郎さん、玄田さんはソフト版でした)。
8月21日(日)夜6時55分~の「シネマクラッシュ」で放送する『トータル・リコール』のふきカエは、もちろん玄田哲章さんのテレ朝版。映像は4Kで行きまっせ!

翌週、28日(日)のシネクラはお休みですが、午後3時30分から「シネマスペシャル」で、ちょっと懐かしい香港映画『君のいた永遠(とき)』を放送します。金城武さんのふきカエは宮本充さん(『ターミネーター』ソフト版のマイケル・ビーンですな)。

ダークボのふきカエ偏愛録ちょっと先まで番宣を。
9月には、これまた懐かしい『星の王子ニューヨークへ行く』。昨年まさかの「2」が出来て驚いたね!
ふきカエはフジテレビ版(下條アトムさんのエディ・マーフィ)で準備中です。

そして10月には、あっと驚く……まだ言えないな。次回の当コラムをお楽しみに!

[作品画像はAmazon.co.jpより]
※Amazonのページで紹介しているDVD・ブルーレイ等のソフトは、今回紹介する日本語吹替え音声を収録しておりませんので、ご購入等の際はご注意ください。