ダークボのふきカエ偏愛録

#60 いま、テレビふきカエを作るということ

はあ・・・ここに駄話を書かせてもらうのも60回目なのですね。まる9年か。
それにしても、今回はタイミングが悪い。なので短めに(予定)。

今年2月、ドキュメンタリーという変化球で、『猫が教えてくれたこと』のふきカエを作ってから半年。
ようやく、新たなテレビふきカエに取り組んでいます。
ただ、この稿がアップされるのは8月頭で、オンエアは9月予定・・・まだ発表できましぇーん!
でも次のコラム更新は10月だから、その頃には放送終わってるわけで。いま書かなくてどうする!というタイミングだけど、まだ翻訳も上がってないし。

タイトルはまだ明かせませんが、この稿を読んで予想しても、まず当たらないでしょう。
最近の作品でもないし、クラシックでもない。ハリウッド映画ですらない。そもそもなぜこれを作ることになったのか、自分でもよくわからない。成り行きというか、ほとんど勢いですな。
でも取り掛かってみると、じわじわ楽しくなってきた!

この企画を進めるには、覚悟が要りました。

テレビふきカエの場合、例えば2時間番組なら、(作品にもよりますが)アフレコには10人以上の声優陣が一同に会し、朝から夕刻までの1日で一気に録ってしまうの普通です。
劇場版のふきカエなら、キャラクター毎に独りずつ収録し、その音声を映画本編のポストプロダクションと同様にミックスして制作されますが、テレビ版は基本、声優陣の息の合った掛け合いで演じられます。そう、これこそが醍醐味。まるで舞台劇を観るような(声優さんはほとんどが演劇人ですからね)現場が楽しみで、テレビふきカエを作り続けているわけです。

ただし、何しろ今は、ソーシャルディスタンスの世の中。
ふきカエ制作は何とか続けられていますが、「密」を避けてスタジオ入りできる人数は限られ、検温や消毒などの対策にも細心の注意が必要。機材のセットアップなども通常通りには行かないでしょう。
そんな環境で、果たして昔ながらのテレビふきカエが作れるのか?
かなり悩みましたが、こんなかつてない状況での制作も貴重な経験だろう、と思って腹をくくりました。
声優陣もスタッフも優秀だから、何とかなるでしょう、うん。収録後の打ち上げもできないのが悲しいけど。

そんなわけで、この謎の新作ふきカエにも、またまた豪華な声優陣が集まりつつあります。全員が顔を合わせることはないのが残念ですが。
果たしてどんな現場になるのか? 興味津々です。コロナ禍と闘う初の長編テレビふきカエ、近々発表するタイトルをお楽しみに!(何でこれやねん!って言われるだろうな)

さて、映画タイトル無しじゃつまらないので、BSテレ東の8月放送作品から「ふきカエル」的オススメを。

ダークボのふきカエ偏愛録 ダークボのふきカエ偏愛録8月5日(水) 夜5時58分~は、みんな大好き『スタンド・バイ・ミー』 。
フジテレビ版のふきカエ×4K映像というミックスでの初放送です。ぜひBSテレ東4Kでお楽しみください(BSテレ東では2K版で同時放送)。
続いて夜7時50分~は、(邦画ですが)終戦75周年企画『八月の狂詩曲』 。
こちらはふきカエじゃなくて、リチャード・ギア本人の日本語が聴きどころですね。

ダークボのふきカエ偏愛録 ダークボのふきカエ偏愛録そして12日(水) 夜5時58分~は、『スクール・オブ・ロック』 。
これ放送したかったんだー! もうサイコーだから。ふきカエはソフト版だけど、江原正士さんのジャック・ブラック、イケてます!
続いて夜7時55分~は、無料TV初放送の『マンハント』 。
ジョン・ウー監督が『君よ憤怒の河を渉れ』を奔放に再映画化した中国映画ですが、これ、ふきカエが無いんです。舞台は全編日本で(大阪ロケがマジ凄い!)セリフは半分日本語だし、ハ・ジウォンの「熱燗でいいかしら?」とかグッと来るし。でも福山雅治さんの英語とか、多言語セリフをふきカエてみたかったなあ…(誰かやりません?)

ダークボのふきカエ偏愛録もう1本。19日(水) 夜5時58分~は、『ラバランチュラ 巨大グモだよ全員出動!』 。
前々回の 当コラム で「何でテレビ放送タイトルをつけないんだ!」という話をしましたが、ちょいとやってみましたよ。ヒューマントラストシネマの〈未体験ゾーンの映画たち〉で限定上映もされたタイトルなので、あまりいじってませんが。
ともあれこの作品、スティーブ・グッテンバーグをはじめ、あの『ポリスアカデミー』の存命メンバーが再結集した(だから「全員出動!」。わかる人はわかる)まさかのおバカムービー。前時代的ギャグに失笑しつつ、最後は感動して泣いちゃいますよ。
ポリアカの声優陣で新録できたら最高だったけど、残念ながらふきカエはソフト版です。でも「往年のヒーロー俳優」という設定のグッテンバーグの声を、アベンジャーズの一員でもある三上哲さんがふきカエてるのがミソかな。あと、意外なところに堀内賢雄さんが!

全然短くないな。
そんな感じで、ステイホームな夏休みは、テレビで映画を!

 

[作品画像はAmazon.co.jpより]
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