- 2017.7.11
- インフォ・キングダム
6/30(金)、洋画専門CS放送ザ・シネマのオリジナル番組『ふきカエ ゴールデン・エイジ』の収録が行われました。
この番組は8月の『エクスペンダブルズ』シリーズ一挙放送に合わせて、シリーズで吹替えを担当した「吹替え黄金期」の豪華声優6名が“吹替え”を熱く語る内容です。
その参加メンバーはささきいさおさん、山路和弘さん、安原義人さん、玄田哲章さん、江原正士さん、磯部勉さん(『エクスペンダブルズ』シリーズ登場順)の6名!
その収録現場にふきカエルがお邪魔しました!
8/13(日)夜6:15~6:55(初回放送)の前に少しだけレポート!
番組内で披露されたのは、映画本編を超える(!?)衝撃と爆笑のエピソード!
『エクスペンダブルズ』シリーズ収録秘話からスタートしたトークは、裏話となり、驚きだらけの昔話へ!驚愕のス〇〇〇〇事件とは!?現在・過去・未来の吹替えに関するお話しが満載となった、永久保存推奨番組『ふきカエ ゴールデン・エイジ』をお楽しみに!
そして!番組収録後、ご出演の皆さんが集まっての記者会見が行われました。
この会見も終始笑いに包まれ、さらに番組への期待が大きくなりました。
その模様をどうぞお楽しみください!
——今回収録した特別番組について
江原正士さん(以下・江原さん):今日は進行役ということでこの個性の強いメンバーと和気あいあいと“ダベリング”することができました。
ただ進行役を兼ねていたので、皆さんにたくさん喋ってもらおうと多少の振りを散りばめた結果、(自慢話)という揚げ足を取られての子供っぽい対応もあったりで、アナログからデジタルの変換期のアテレコエピソードを、今ひとつ掘り下げられなかったのが残念でした。 が、皆さん乗ってくれたので助かりました!
このメンバーが好き放題しゃべっています!この番組は一見の価値ありです。ぜひご覧くださいね!
磯部勉さん(以下・磯部さん):あまり内容と関係のない話をしちゃったかなと反省しておりますが、まあこんなもんだろ、という感じでやってしまいました(笑)。
トーク番組は面白かったですね。『エクスペンダブルズ』という作品の出演者やここにいる吹替えのメンバーの一人を追いかけることをしても面白いと思いますよ。これだけのメンバーが集まることってほとんどないですしね。
僕は『3』にしか出ていないけど、緊張しました。ハリソン・フォードを吹替えた劇団の先輩でもある村井國夫さんには、「何で俺を呼ぶんだ、お前(磯部さん)が一人で(メル・ギブソンもハリソン・フォードも)やればいいじゃないか」って言われました(笑)。
あの収録現場では自分の順番が来て、第一声を出すまでは(心臓が)バクバクするほど怖かったですね。そのくらい、緊張感があってあれだけのキャストが集まっていたら、面白くないわけがないですよ。今日のトークも面白かったです。
安原義人さん(以下・安原さん):台本でメシを食っているものですから、(今回の収録は)台本がないので疲れました(笑)。
江原ちゃんの司会はうまいねぇ~。自分の売り込みもしながらで、最高でしたね(笑)。
(江原さん:司会ではありませんよ、進行役も兼ねてということです!)
トークについては、映画より面白かったかも(笑)。私の部分にはほとんどピーが入っているかもしれませんが(笑)。
ささきいさおさん(以下・ささきさん):アテレコの昔話をすると、先輩たちはこんなことをやってきたんだなぁと思いながらも、僕もその中に仲間入りをしたかなっていう、歳を感じましたね(笑)
でも気持ちは若くやっていこうと思ってます!
忘れているようなことも、こうして集まってしゃべることで、思い出してあの仕事ってこうやって決まったんだなぁって、あの仕事がなかったら大変だったなぁってことも含めて、そういう内輪話を出来たことが自分の中でも懐かしくて楽しかったです。
玄田哲章さん(以下・玄田さん):普段、これだけのメンバーで会うことはないものですから、江原くんから自慢話ばっかりされて、それしか印象に残っていませんね(笑)。視聴者の皆さんがこの番組を観た時に、やっぱり自慢話だったなと感じると思いますが(笑)、トークは楽しく終わりました。
過去にもさかのぼって色んな話しをしたので、30代・40代はこうだったな、っていうのを皆の会話の節々から思い出して笑ったりしてました。こうして過去のことを話すことはないので、やはり新鮮に感じましたね。
作品についても何とか『4』にたどり着いて欲しいですね。もう一作はがんばって作って欲しいです。
山路和弘さん(以下・山路さん):諸先輩方の中で、一番若いんですけれども、皆さんたいへんな方々だなぁと思いながら過ごさせていただきました。江原さんはやっぱり自分のことが好きだなぁと強く感じました(笑)。
ステイサムもそうですが、私もまだ、“若造”ですから、今日、皆さんの話しを聞いていて、そんなことまで!って(笑)驚きました。とても楽しいトークでしたね。
——『エクスペンダブルズ』のキャラクターを演じるときに苦労はありますか?
江原さん:『エクスペンダブルズ3』では、久しぶりのウェズリー・スナイプスだったので、合わせるのに苦労しました。(苦労より)男ばかり集まってやる仕事も楽しいので、まさに“男祭り”に参加できてよかったことの方が印象に残っています。
磯部さん:意識して作ろうと思ってアテたことはないです。比較的(オリジナル版の役者の)気持ちに正直に演じればいいのかなってくらいですかね。
安原さん:『エクスペンダブルズ』でミッキー・ロークを久々に見たら、汚いおじさん(笑)になってきていて、私に近づいてきたなぁと思って、そういう意味ではやりやすかったです(笑)。
ささきさん:スタローンを最初にやったのは『勝利への脱出』(1981年製作)かな。だから30年くらい経っていますね。スタローンも二枚目役が多かったから、今までは二枚目の声で演じられたんだけど、最近は非常にクセのある芝居をするようになって、それに合わせないと感じが出ないのかと思って、一時期はあざとくなりすぎましたね(笑)。今は、素直に演じていますが、声だけは低くないと合わないんですよね。なるべく低い声を出して響きを強くしないといけないので、2・3日前からわざとお酒を飲んだり(笑)、なるべく喉を荒らすように努力をしています。
玄田さん:シュワルツェネッガーはカリフォルニア市長から映画に戻ってきて、恐れないで色んな作品をやっている勇気がありますね。
『エクスペンダブルズ』ではそれほど出番は多くないですけど、スクリーンに出ると際立つのでうれしいですね。パート1では1シーンのみでこれでいいのかよ(笑)と思ったんですが、2・3では出番も増えて、気概も感じられたので、楽しみつつ演じました。
山路さん:ステイサムだけは、声が似ているということもあって、ほとんど全部の作品の吹替えをやらせていただいています。
スタローンに気に入られているなというのも強く感じるので、このシリーズが続いてくれるとまた仕事がもらえるなとほくそ笑んでおります(笑)。
——日本語吹替え版の楽しみ方とその仕事について
山路さん:最近は忙しい映画が多くなっているじゃないですか。芝居が重なり合って、(画面の)手前で芝居してるのに、奥でも何かが行われている、みたいなね。字幕で観ていたら追いきれないと思うので、余計に我々がしているこの仕事が必要なのかなと思いますね。
玄田さん:情報量の違いがありますよね。セリフが自分たちの言語だとどんどん耳に入ってくるし、今みたいにスピード感のある映画だと、昔のゆったりした映画と違って、字幕では内容が入ってこないことがありますよね。字幕の好きな方もたくさんいらっしゃいますけど、吹替え版を観ている方に直接、グサッと心にセリフが入っていくように、それを目標に演じています。
ささきさん:アクションの場合でも映画は、シーン全体を総合で作っているので、セリフが多かったりすると字幕を見ているのは忙しいですよね。
ユーモアのあるシーンでも字で読んでいると、それが上手く伝わっていないこともあったりしてね。それだとやはり吹替えの方が安心して観られるんじゃないかって気がしますね。
安原さん:最近はいい脚本がテレビシリーズでも集まり始めたなって思いますね。質問の答えとは違うんだけど、本が良くなると、演じる私たちもアテていて楽しいです。
磯部さん:皆さんにこんなにしゃべられちゃうとねぇ(笑)、答えることが無くなっちゃう。でも、吹替えはやはりあったほうがいいよね。今回の番組収録で皆さんとしゃべっていて、昔の声優の方って本当に個性が強くて、そんな方々が吹替えしたときに、原語とはちょっと違うのかもしれないけど、日本的な面白さが見い出せていましたよね。そして、日本語独特の楽しさも味わってもらえるんじゃないかって感じがしますね。
吹替えがなくなると僕らの仕事もなくなっちゃうのでね(笑)。
昔みたいにゴールデンタイムに日曜洋画劇場から1週間全部、月曜ロードショー、火曜ロードショーって映画番組が毎日あって欲しいと思っているくらいなので、もっともっと洋画を楽しんで欲しいです。
江原さん:若い頃、洋画の吹替えを観ていて感じたのは、外国人なのに日本語をしゃべっている、でもそれがカッコイイんですよ。憧れましたね。それに、女性との会話が変にいやらしいんですよね。今風に言うとエロいんですよねぇ。そこにも憧れていました。
吹替えが好きになって、いま、それを仕事としていると、やっぱり日本語文化の一端なのかなって思います。
アテレコの収録現場では画面を見ながらアテるんですけど、横にいる役者さんと映像と三位一体となって演じてるんですよね。その醍醐味があるので、僕はやっぱり演じることを続けさせていただきたいと思います。(吹替え版を)観てくださいね(笑)。
——ご自身の吹替えのワザについて
安原さん:人に教えられるようなものはないんですが(笑)、あまりアテないようにしています。自分の芝居を行うことを心掛けています。呼吸もオリジナルの役者さんに合わせないので、音響のスタッフさんは大変だと思いますね。(吹替えする作品を)事前に観すぎると、本番で新鮮味がなくなってしまうし、事前に作品を観たとしても声を出して練習することはないですね。マイクの前に立って、どんな音が出るかは自分でもわかってない。最初に(声(音)が)出てきたときに、あ、今日はこれでいくんだ、みたいな感じ、その新鮮さを大事にしたいですね。
ささきさん:ワザというのは自分で感じないですね。慣れだと思います。安原くんが言うように、新鮮さも大事だし、役者が真っ白になって、パッと出てくるものが一番いいのかも知れませんね。でも台本を(事前に)持っているしね。そこから躍動感を出すのが難しい作業になりますが、自分では、躍動感を出すように心掛けていますね。
玄田さん:セリフというのは合わせるものじゃないと思います。例えばシュワルツェネッガーの吹替えをこれだけ長く演じていると、翻訳者の方にも、毎回同じ方が担当しているわけではありませんが、大体の感覚で玄田はこんな感じのスピードでしゃべるだろうな、という翻訳をしてくれて、上手く演じることが出来るんですよね。セリフを切ったりしているわけじゃないだろうから不思議ですけどね。これは楽だなぁと思ってしまったり(笑)。実際に演じてみて、(尺が)足りなかったり、長すぎたり、そんな場合はもちろん直すことがありますが、上手くいけば、楽しい仕事になりますね。
山路さん:大体、声のいい方が多いので、映画館に行って、声がガラガラしてたり、いわゆるキレイじゃない声の新しい役者さんが出てくると、あ、(この人の吹替えの)「仕事くるなぁ、これ」(笑)って思ったりしますね。そういう部分(が、強み)ですかね。
磯部さん:舞台で演じたり、吹替えをしていても、自分はどうやっても外国の人にはなれませんからね(笑)。自分の気持ちに素直に日本人らしい自分でやるしかないというか、そういうのが武器といえば武器だし、芸ということなのかもしれません。
江原さん:翻訳家さんも翻訳スタイルに自信を持っていて、その若い女性の翻訳家は倒置法を使って長い台詞を書かれるんですね。あるシリーズをやった時、かなり合わせにくい翻訳というか、脚本が上がってきましてね。で、挑戦されたことがあるんですよ。自分の演じているキャラクターが何ページも倒置法で喋るんですが、その内に何を言ってるか解らなくなっちゃうんですね。だから事前に台詞の意味を整理して役柄を仕込んでいくんですが、なんか自虐的な快感を覚えちゃったりして、漸くある時、「どう、克服したよね」って、脚本家・翻訳者さんに言ったら、「今日は何を言ってるか分かりました」って言われて、今まで解んなかったんだ(笑)。
安原さん:でも(吹替えの)仕事を面白くするのって翻訳なの。だからもっと翻訳家さんが注目されてもいいかなって気がしますね。もっと賞を与えるとか、高い給料を払うとか、翻訳の水準をもっと高いところに持っていって欲しいですね。
そうすると私たちの仕事ももっと楽しくなるんだと思うけどね。
江原さん:英語が堪能なだけだと難しいですよね。伏線があるようなストーリーに関しては、日本の小説や脚本を読んだりして、そういう文化に親しんでいる人のほうがいい翻訳になるのかなって思いますね。
話しは戻りますが、挑戦された翻訳家さんに「何を言っているか分かりました」と言われた時、漸く僕は、「倒置法を克服したぞ!」って思いましてね。それが若干ですが、僕の自慢かな、皆さん!
安原さん:まーた自慢だよ(笑)。
ザ・シネマ『エクスペンダブルズ』シリーズ一挙放送特別番組
『吹き替えゴールデン・エイジ』
【出演】ささきいさお、山路和弘、安原義人、玄田哲章、江原正士、磯部勉(※『エクスペンダブルズ』シリーズ登場順)
8/13(日)夜6:15~夜6:55 他
ザ・シネマ『エクスペンダブルズ』シリーズ一挙放送にあわせて、その吹き替え版を務めた声優陣をフィーチャー。その顔ぶれは、地上波の洋画劇場で多くの映画ファンの心を掴み、以来第一線で活躍し続けている、まさに「吹き替え黄金期」のメンバーばかり!彼らが一堂に会し、吹き替え版制作裏話やマル秘エピソード、吹き替え版の魅力などのトークに花を咲かせる、映画ファン必見の特別番組。
⇒ザ・シネマ 番組ページ
『エクスペンダブルズ』シリーズ3作一挙放送!(★再放送あり)
【吹替え版一挙】
8/13(日)夜7時~深夜1:30
日本語吹替え版
『エクスペンダブルズ』
『エクスペンダブルズ2』
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』